ねずみ撃退大作戦

侵入者17・子ネズミ一家掃討作戦。締めはバルサンで。

子ネズミ一家のことで頭をいっぱいにしているうちに季節はすっかり変わってしまった。 気付けばもう初冬である。ホームセンターで、バルサンを5つ買ってきた。数日に分けてお焚き上げをした。天井裏はケムリですべて真っ白になり、それによって浄化される。…

侵入者16・最後の課題。子ネズミ一家が本当にいなくなったか確かめた。

そう。ゴールは見えている。しかし、ゴール手前にはデカい壁がそそり立っていた。子ネズミ一家が、本当にいなくなったのかの確認作業である。 万が一にも閉じ込めてしまった場合、どんな行動に出るかわからない。 頭に来て電気のコードをかじりまくるかもし…

侵入者15.・出入り口の封鎖完了

約20万円の見積書を残して去って行った華丸さんは、数日後に電話をくれた。「その後、いかがでしょうか?」出入口を、いとも簡単に、しかもタダで見つけてくれた華丸さんには感謝してもし尽くせない恩義を感じていた。でも20万円はデカい。そこで、感謝の気…

侵入者14・くっつかないでいて欲しい

華丸さんに教えてもらった子ネズミ一家の出入り口に、勇気を出して手を突っ込んでみると、確かに中がスカスカだった。どうやらここを出入り口として使っていることは間違いなさそうだった。そこでハタと思い出した。 この家を中古で買った時、前の持ち主が、…

侵入者13・プロ降臨。

これまで我が家に害虫駆除の案内ハガキが届いたことなど一度もなかった。…これは一体どういうことか。ホームセンターの「ネズミが泣いている看板」の前で、腕を組んでいるところを誰かに目撃されてウワサでも広まってしまったか、高野さんが同年代のご近所さ…

侵入者12・スプレー女参上

ハッカの香りのスプレーを2本抱えて意気揚々と家路に着いた。 このスプレーをシュッと天井裏にやるだけで子ネズミ一家が「キャー何このニオイ!!」(ママ) 「やめてー!!助けてー!!」(子どもたち) 「急げ!今すぐここから脱出するぞ!!」(パパ)と…

侵入者11・仲間がこんなに…

車で家から5分先にあるホームセンターは、近いのでよく利用していた。 生活雑貨や子供の学用品、猫の消耗品などなど、生活に必要なありとあらゆるモノを購入していた為、たとえ目を瞑っていても、店内のどこに何があるのか熟知している…と、思っていた。しか…

侵入者10・ふさぐ。

ひとまず天井裏の様相がわかったため、まずは和室の長押の裏側を塞ぐ、という地味なミッションから取りかかることにした。ヒトの居住空間と、子ネズミ一家の居住空間が最も近い場所がここである。 ここを塞げば、とりあえず、子ネズミ一家とダイレクトに空気…

侵入者9・いざ、天井裏へ②

もう後回しに出来る口実は何もない。 とうとう和室の押入れの天井裏にある、敵の巣窟と思われる本拠地への扉(点検口)を開けねばならない時が来た。いやだ…。 そう、いやだ。 …いや、なんだけど、でも全く好奇心がないと言ったら嘘になる。そう、ちょっと気…

侵入者8・いざ、天井裏へ①

何の収穫もなく室内に戻った。 もう寄り道は思いつかない。 いよいよ天井裏に続く扉(点検口)を開ける時が来た。ホシの痕跡が1番少ないだろうと踏んで、心の練習も兼ねて、先ずは2階に上がった。 2階の東南角部屋は、暖かな陽射しに包まれていた。一階和室…

侵入者7・子ネズミ一家の玄関はどこだ!?

落ち着いて考えてみた。 そもそも子ネズミが和室の長押の所から落ちてきたというのはどういうことか。 長押の後ろはどうなっているのか。和室に食卓の椅子を運びこみ、その上に乗って長押の裏を覗き込んだ。驚いた。 6畳の和室にグルリと取り付けられた長押…

侵入者6・一家からの挑発の日々に苦しむ。

区役所に電話をした翌日の朝、和室の天井だけでなく、リビングの出窓の天井からも騒がしい音が聞こえてきた。昨日、少しキツく叱ったのが効いたのか、ルナは珍しく、音がする方をキッと睨みつけ、 「この壁さえなければやってやるのに!」 とでも言いたげに…

侵入者5・市役所の生活衛生課に電話で相談する。

翌日、この件について市役所に電話で相談をした。この家に引っ越してきた数年前、中庭にアシナガバチが巣を作っていて、どうしたものかと思っていた所にご近所の方から、市役所に電話したらどうか、とアドバイスをもらったのだ。 対処方法を詳しく教えてもら…

侵入者4・開戦前夜。敵をリサーチする。

ムスコは不思議そうな顔をしながらも、素直に「こども大百科辞典」を持って和室に来た。 虫カゴの中身に気づくと少し驚いた顔をした。 少し、であったことに私は満足した。 今、大騒ぎされると、せっかく淡々と粛々と対処しようとしている気持ちに水を差され…

侵入者3・落ちて来た子ども

数日後の夕方のこと。友達の家に遊びに行っていたムスコを迎えに行き、家に帰ってきたところだった。 家に着くと、飼い猫のルナがいつもどおり足音に気づいて起き上がり、「にゃ」とゴハンを要求して来た。 洗濯物を取り込んだり、水筒をリュックから取り出…

侵入者2・主人が足の異常な痒みを訴えた。

不穏な物音に対する私の心配を、睡魔に勝てず適当にあしらった主人の体に異変が起きた。 夜遅く帰宅し、入浴後リビングで寝落ちしてしまった彼は、翌朝猛烈な痒みに襲われた。 足のあちこちが真っ赤に腫れている。 ひどい痒みだったようで、痛風になっても骨…

侵入者1・その日は熱帯夜だった。天井裏から音が聞こえてきた初日。

夏の夜だった。その夏は、連日連夜とても暑かった。 なのに寝室のエアコンの調子が悪く、なかなか涼しくならなかった。暑さから逃れるために、毎晩、主人とムスコと3人で和室に布団を敷き、川の字になって寝ていた。 深夜だった。 主人とムスコはぐっすりと…