一、そして再び飼いネコ2匹。

我が家には現在、2匹の猫がいる。

2匹とも立ち耳のスコティッシュフォールド。同じ種類だけど見た目は全然違う。ペルシャと、完全なアメショといったところだ。

ペルシャチックなのが女の子で、名前がルナ。

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アメショにしか見えない2匹目がオス。名前はソル。

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スペイン語でルナは月、ソルは太陽という意味だ。

良い名前を思いついたよね、と、主人と2人で悦にいっていたが、ほどなくして、極めてありきたりな名前だということに気がついた。

 

実際、名前をつけて1週間後には、セーラームーンの飼い猫の名前もルナだということを知った。

勤め先の保育園には、ルナちゃんという女の子がいたし、動物病院の顔馴染みにもパグ犬のルナちゃんがいる。少し車を走らせば、ソルナ動物病院という名の病院まである。斜向かいの家に住む女の子の名前まで、どうやらルナちゃんらしかった。

が、そう気づいた時には、既にその名前で呼ぶと2匹とも「にゃ」と、返事をするようになっていた。

ありきたりな名前を付けられた2匹の片割れ、ルナの方は、14年前にソルより2ヶ月先に我が家にやってきた。小さな体に病気をいっぱい背負い込んで来たのはお迎えしてからわかったことだ。

 

ココロもカラダも繊細で、フワフワのモップみたいだったルナは、生まれてまだ2ヶ月にして病院の先生からたくさんの病名を頂戴した。

日に日に痩せていったが、朝晩通院して点滴しながら何とか生き延び、無事に成猫になることに成功した。

今では、「こういう子に限って長生きするよ」という最初に診てくださった先生の言葉どおり、関節痛に粉瘤、甲状腺機能亢進症といった、いかにも年寄りっぽい病気を抱えながらも、ヨタヨタと生き延び、押しも押されぬ老猫の域にまで達している。

 

もう一方のソルの方は、去年の冬、13年ぶりに我が家に出戻ってきた。我が家といっても引っ越したし、ウチにいたのは子猫の頃のほんの数ヶ月だけだったけど。

ソルは14年前、我が家に来て早々、ルナからトリコモナスをもらった。ルナはトリコモナスという感染病も持っていた。これはソルに感染してからわかったことだ。

この時奇しくも、辛くて長い不妊治療を経て奇跡的に妊娠初期に至っていた私は、このトキソプラズマとよく似た名前の感染症が恐ろしく、また弱っていく小さな2匹を前に不安が押し寄せてきて、クマのような動物病院の先生を前に涙が出てしまった。

悩んだ挙句、トリコモナスが完全に治癒した段階で、元気いっぱいで血筋も完璧、まだまだ子猫で売れ線間違いなしのソルの方を里子に出すことに決めた。

渾身の力を注いでビラを作り、ネットの掲示板に投稿したところ、3家族がすぐに名乗りを挙げてくださった。

 

が、結局のところ、ソルは実家のネコとなった。

ルナと隔離する必要があって、実家に数日預けているうちに甥っ子の情が移り、飼って飼ってと家族を泣き落としてくれたのだ。

 

そこから13年、実家でぬくぬくと平和に暮らし、無事にでっぷり太った老メタボ猫になれたソルだったが、ウチに来る1年ちょっと前から原因不明の下痢を乱発するようになってしまった。痩せて、少量の下痢便が家の至る所で出てしまう。

実家には動物病院まで頻繁に連れて行ける家人がおらず、病院の先生に言われて一時的にフードを変えてもみたらしいが根本的な解決には至らず、主たる世話役の母の負担は日に日に増していった。

そんな状況を電話では聞いていたものの、久しぶりに実家に帰ると、そこには、けっこう大変そうな目に遭ってしんどそうな母と、けっこう大変な目に遭わせている割には元気そうなソルがいた。

 

相変わらず病気と縁が切れないルナが、しばらく病院ジプシーだったところに、運良く良い動物病院に巡り会えたところだったこと、一軒家に引っ越して、状況によっては隔離する部屋があること、お世話が大変な赤ちゃんだったムスコが期待の戦力に成長していたことから、一念発起して我が家に再び迎え入れることにしたのだった。

 

おかえり。ソル。

 

そんなわけで、再び2匹の飼い猫との生活が始まった。

 

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