十五、落としどころ、だったのに。

 

イッタイゼンタイ、ドウシタコトデショウカ。

 

今朝からスコティッシュフォールドストライキ、略してスコストが大発動してしまった。

ここ数週間、2匹してヒルズのi/d 7対w/d 3の混ぜゴハンを大人しく食し、ソルは中の下くらいの便で落ち着いていた。当面はコレでいくしかないだろうと思っていた。

ルナは、ソルのせいでこんなに味気ない療法食の混ぜゴハンの日々であるにも関わらず、粛々と文句ひとつ言わずに食べていた。それが、ここに来て腸内バイオームに続きピタリと食べるのをやめてしまったのだ。

特に体重管理・消化・糖尿病をうたった療法食であるヒルズのw/dにはまったく反応しなくなった2匹。i/dに少しでもw/dを混ぜると「げっ」と呟いて去ってしまう。これでは腸内バイオームの時と同じじゃないか。

そしてそのうちルナの方はi/dだけでも食べなくなってしまった。

ソルはi/dだけだと完全な下痢になってしまうので単体ではあげられない。でもw/dはまったく食べない。

若い頃だったら、いや、少し前だったら子育てと同様、ハラが減れば何だって食べるさ、とこんなにオロオロすることもなく放っておくことができた。

しかし2匹はそろって心身ともにデリケートな高齢の病気持ち。特にソルの方は療法食を食べないとテキメンに腸をやられてしまうことをこの半年で思い知らされた。そして腸をやられて少しでも痩せてしまうと、かかりつけの動物病院の先生が心配して高級な点滴を打ってしまう。

高級な点滴。そして点滴を打とうと言われると感じる敗北感。これが放置できない1番の理由かもしれない。

こと、経済面に関してこれ以上鷹揚に見守ることが全然出来なくなってきた自分がいる。

こんもり盛られた2つの皿を前に身じろぎもしない2匹。

「なにか、ゴハンではないものが盛られているね?」

目の前の皿を完全に無視して、

「ハラヘッタヨ、オカーサン!」と、これ以上ない必死な目で私を見つめる。

「それより、ちゅ〜る(クスリ)を早く!」と、ただただジッとちゅ〜る(クスリ)を待つ2匹。まるでヤク中である。

ソルが来るまでのルナの食事はバラエティに富んでいた。

過去のラクなネコとの暮らしが懐かしい。今日の彼らの晩ゴハンは一体どうしたらいいのだろうか…そうしてまたもやすっかり途方に暮れてしまった。