侵入者9・いざ、天井裏へ②

もう後回しに出来る口実は何もない。
とうとう和室の押入れの天井裏にある、敵の巣窟と思われる本拠地への扉(点検口)を開けねばならない時が来た。

いやだ…。
そう、いやだ。
…いや、なんだけど、でも全く好奇心がないと言ったら嘘になる。そう、ちょっと気になっている。よそのお宅の様子?子ネズミ一家のご自宅訪問??「ピンポ〜ン、こんにちは!大家さんが来ましたよ」
よし、こんな感じでいこう。
気持ちを無理矢理前向きに引っ張る。

いざ、ご開帳〜!
怖い気持ちをひた隠して、なぜか
「おじゃましま〜す」とへり下って点検口を開け、エイヤと頭を突っ込みました。ええ、突っ込みましたよ、私は!

するとそこには、子ネズミ一家はいなかったし、シルバニアファミリーみたいなおウチもなくて、ただ明らかに、何らかの形跡、痕跡が感じられた。
ホシは確かにここにいたことが私にはわかった。

断熱材がところどころ破れているのは、きっと一家の仕業だろう。うまく言えないが、全体的に他の二か所と比べてボロッとしていた。

本体が不在のため、落ち着いて観察することが出来たし、ここの天井裏に関しては、運が良いのか悪いのか、ある程度は梁を伝って、奥の方まで行けそうだった。

もちろん、今日は「開けて中を確認する」ということが目標だったので、「中を進む」をやってしまうと明らかにオーバーワーク、過剰労働だ。今日のところはここまでだ。

天井裏の様子が分かって少しホッとした。