保育園で。もうこうなると解脱しちゃうって話。

※これはあくまで私の体験談をベースとした話です。保育方法をはじめとする諸々は保育園によって千差万別です。

 

保育士って、国の基準だと1歳児6人に対して最低1人付けば良いんだよね。

でもさ、1歳児ってどんな感じが知ってます?って話。

2歳に近い1歳と、0歳から1歳になりたての1歳ってさ、も、全然違う生き物といって良いくらいに違うの。

意思疎通能力も運動能力も言語能力も、もう全然!だってシナプスがどんどん繋がりまくってる時期だから。

昨日の私と今日の私は本当に違うの!あ、私じゃなくて、子どもね。

32歳に近い31歳と、30歳から31歳になりたての31歳がまったくおんなじなのとは訳が違うの!!

 

だから、0才寄りの1才が多ければ、そりゃもうカオスだよね。

6人なんて絶対ムリ!

そりゃ、キャラにもよるよ。

マリちゃん(仮名)が6人なら余裕。マリちゃんなら10人いても1人で見れる自信がある。

でもコウちゃん(仮名)だったら1人でも盛りだくさん。多くて3人が限度。

 

今日はお着替えと排泄のスペースに5人入ってきたんだけど。

トイレの便座の中の水に、興味津々で手を突っ込もうとする子、今にもその子のことを押し倒そうとしている子、水道の蛇口に指でフタをして噴水にしてしまい一面水浸しになり、驚いて大号泣する子、隣の水道でママの真似をして靴下を洗い始めた子、着替えの洋服が入ったカゴを全部床にぶちまけた子…と、1人でも泣きそうなことを5人が一斉に始めたんだよね。

3人なら順番に片付けていこうという気にもなる。でも5人に5件の案件を同時に始められるともうダメ。

なんか、心が遠くに飛んじゃう。こーゆーの、解脱っていうの?違うか。

放心状態ね。うん。放心状態になる。

 

ホリエモンが前に、保育士の給料が安いのは誰にでも出来る仕事だからだって言って反感買いまくってたけど、まぁ言いたいことはわかる。

確かに人類は多産で、今なんかよりずっと多くの子どもを、基本どんな母親でも当たり前に育ててきたわけだから。

 

けどね、周りがもっと助けてくれたわけよ!

兄弟がね、下の子の面倒とか見たの。ばあちゃんや、近所のおばさんもいたの。

こんなね、国土面積が狭い日本ならではの狭いスペースに子どもが5人もいてね、全員が1才なんてシチュエーションはなかったって。

噛みつきや押し合いなんか起きたらめっちゃ責任問われるなんてこともないでしょ。

噛むんだから1才さんって。

誰にでも出来るなんて下に見てる言い方したら可哀想だって(私が)

 

だから今日みたいなシチュエーションになると思ってしまう。誰にでも出来るんじゃなくて、こんなの誰も滞りなく出来ないって。

 

だからってね、オムツ替えときゃいいんでしょ、とか、着替えさせとけばいいんでしょ、って、そーゆーことではなく。

そーゆーことであれば、YouTubeでも流しておいて動きを止めて、こっちが全部やっちゃえば簡単な話で。

 

そうでなくて、みんな、超迷惑なんだけれども、だけれども、今、それぞれの若干1才が、

自分がやりたいことを夢中でやってるところで。

水道の蛇口に指を突っ込むのだって、やりたいんだから仕方ないじゃん。1才で好奇心にブレーキなんてかけられたら逆に心配。生死に関わるような行動と、お友だちに危害が及ぶことだけはキッチリガッツリ、しっかりブレーキかけるけれども、後はやりたいようにやらせておかなくちゃ、育つものも育たないでしょうよって思う。

まぁ後片付けが泣くほど大変だから、やった子には責任持って一緒に片づけてもらうけど。

手伝ってもらうとますます状況は大変になって自分の首を絞めるんだけど。

 

でもそうやって、自分がやりたいことをちゃんと納得するまでやれると、割と気分スッキリ、次のことを頑張るかって気にもなってくれがち。

(もちろん、なってくれない時もある。)

 

やりたいこと終わったね!後片付けもちゃんと出来たね。じゃ、次は手を洗おうか。

 

結果的には遠回りに見えてこちらの方が早い場合もある。

 

子どもが今していることが、その子や周りの子たちにとってマイナスでなければ(トイレの水の中に手を突っ込むのは、気持ちはわかるけどもちろんマイナス)手出しをすることは許されない、くらいの気持ちでいる。

そうして私が解脱、もとい、放心状態でいるうちに、あーだこーだと大奮闘、自分でやろうとするお子さまたち。

オムツを頭から履こうとしたりもするけれど、それだって自分の手で、指をいっぱい動かしてやってみれば、そのうち、あーこっちからは入らないのか!って、気付く。

 

だから思う。

保育士の数がこのままなら、せめてカリキュラムに追われずに、1人1人のペースで育つことを認めてあげてください、と。