五十五、再びエリザベスカラーの老猫

五十四、抜糸が済んで活気を取り戻した高齢ネコの話。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。

先日、無事に抜糸を終えて、懸案事項だったエリザベスカラーを外したのに、わずか1週間もしないうちに再び付けなければいけなくなった。

—なんてこった。

右目がちょっと開けにくそうな気がする…と思い始めたのは2日前だ。

ちょっと開けにくそう……な気がしないでもない……が、退院したばっかり……先月から既に40万に手が届きそうな治療代がかかっている……病院に連れて行ったらまたお金がかかる………うん、気のせいだ、気のせい。

ということで、その日のうちに病院へ行かず、もともと予定していた2日後の今日になって行った。
すまない、ソル。

で、今日行ったところ、
「目に潰瘍が出来てる、コレは痛いと思う」
と言われた。

ソル、本当に申し訳ない。痛かったとは。

今まで、ルナもソルも同じように片目がおかしいことは何度もあり、その都度ちょっとしたキズだと言われ、目薬を数回垂らしたら治ってきた。
てっきり今回もそうだと思って、手持ちの抗菌目薬で様子を見てしまっていた。
それが今回は裏目に出てしまった。


で、今日も5000円超の支払いだった。

先生は適正価格の請求をし、献身的に診てくださっていると言うのに、何でしょうか?この、むしり取られているような感覚。身を削る感じ。

いや、本当に大変です。大変って言ったらもうホントに大変。

この子はすごく大変な子であることは間違いない。
けれど10年間は病気知らずの健康体だったわけで。
こんなに畳み掛けるような病気ラッシュに見舞われ始めたのは、ウチに来る1年前からだから、ここ2年間のことだ。

自分がコレを体験してしまった今、ものすごく気になっているのは、コロナ禍でペットを飼う人が激増したことだ。

現実問題として、ペットも皆保険にしないと払いきれない人が続出すると思う。もう、絶対。

それで放置とかされたら?
考えるだけで辛い。
だったらせめて安楽死させてあげて欲しい。

などと、先の、しかも他人様の心配を始めてしまう。いや、正確に言うと他人様の犬猫が心配になる。

それくらい、大変。
とんでもなく、大変。
しつこいけど、大変だから。
お金がかかるのももちろんだけど、お世話の大変さは、絶対に誰にでも出来ることではないと確信しています。

やっと光が見えてきたと、ホッと一安心すると必ず、また次の病気や難題が襲いかかる…その繰り返し。
今日にいたっては、これは何か、たたられてる?みたいな考えまでよぎりました…。

退院してからこの2週間、朝晩に4錠ずつ!あの小さな体でデカくて苦い薬を4錠も、ゴックンさせられてきたのだ。

それでも抜糸が済んで、ようやく、ようやくエリザベスカラーが外せて、やっと、あと数日で抗生剤が終わってクスリが2錠に減るところだった。

錠剤1錠ならお互い頑張れた。
けれど4錠は苦行以外の何物でもなくて、ソルは投薬を察すると逃げるようになった。

で、今度はそれに加えて目薬を2種類もである。
あげく、そのうちの1つはものすごくしみるらしい。
目に差すと「ヒッ」という感じで逃げて行く。
この逃げ方は錠剤の比ではなかった。

だから錠剤をあげるのも、目薬を差されると思って怯えきって逃げるため、結果ますます大変になってしまった。

お世話の大変さは筆舌に尽くしがたく、それにつけ、この子が一体何をしたのだろうと、これからどうしたら良いのだろう、やっぱりあのタイミングで安楽死をするべきだったのか…考えが堂々巡りしてしまう。

四十七、生かすべきか、安楽死か。答えが出せた。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。

生きていても慢性腸症で療法食しか食べられない。
長年ひとりっこで住み慣れた家と家族がいる場所から、気難しい先輩猫のいる家で、肩身が狭い思いをしてストレス満載だ。
先月は5回も尿路閉塞して辛い思いをし、膀胱を切開までした。
そして今度は目だ。これ以上悪化すると角膜に穴が開いてしまうという。
そんな話は聞いただけで泣きたくなる。

猫の死に際は、きっとこの先ますます難しくなっていくのだろう。

これは私が解かなければいけない課題なんだろうか。

とにかく今は、しみている様子が可哀想で辛いけど点眼するしか道はない。

動物も人も、死の前に病気がある。
ピンピンコロリはごくわずか。
生老病死の原則をそろそろオマエも考えておけよ、とソルに言われていると思って、この子のベストの選択を、壁が立ちはだかるたびに真剣に考えて行くしかない今。