保育園で。ママ以外の識別はムズカシイという話。

※これはあくまで私の体験談をベースとした話です。保育方法をはじめとする諸々は保育園によって千差万別です。


歩いてお散歩に行けるような月齢になるとグッと減るが、バギーでお散歩を楽しむくらいの月齢のお子さまたちがよくする間違いがある。

いまだかつて、この間違いを「ママ」でした子に私は出会ったことがない。
「ばぁば」もめったにないがゼロではない。

しかし「パパ」に関してこの間違いは毎年必ず起こる。「じいじ」がそこに追随する。

選挙ポスターの掲示時期は特に多い。
この時期にお散歩に行くと、必ずポスターを指差して、
「パパ!!」
と叫ぶお子さまがおり、

たまに、
「じいじ!」
というお子さまがいる。

実物のパパやじいじとの共通点は、スーツだったり、メガネだったり。その程度なのである。
大人から見たら似ても似つかないことが多々ある。


反対に、髪が長くてメガネをかけている、などの共通点があったり、大人から見て、

「サキちゃんのママに似てますね〜」

などと保育士同士で話すくらいサキちゃんのママに似ている立候補者のポスターを見ても、サキちゃんは決して「ママ!」とは言わない。


もちろん2次元だからという話ではない。


すれ違う若者から初老の男性まで、突然指差して、
「パパ〜!」
と叫ぶお子さまたち。
パパを見つけたと言う確信に溢れているが、もちろん本当のパパだったことは一度もない。

女の人が歩いていても、誰も「ママ!」とは言わないのだ。


ちなみに「パパ」と言われた若者はギョッとするし、初老の男性は隠しようもないくらいに笑みが溢れる。

手を振りかえす余裕があるのはパパ年齢のストライクゾーンの方々だ。

喜んで頂ける「パパ」間違いは良いが、微妙な年齢の男性に対する「じいじ」間違いは青ざめるばかりである…。


さておき。

この差は一体なんだろうか。


乳幼児が生まれつき持っている本能的な顔の識別能力で、男性の顔より女性の顔の方が見分けやすいのか。

はたまた関わる時間の絶対量の差か。


答えはこのニッポンが、北欧諸国並みに両親が育児に関わる時間が変わらなくなれば、おのずとわかるんだろうなぁ…


などということを、今日も「パパ!」の声に笑顔で答えてくださった男性に軽く会釈をしながら、ツラツラと考えるのだった。