※これはあくまで私の体験談をベースとした話です。保育方法をはじめとする諸々は保育園によって千差万別です。
保育園で働き出してから今まで、さまざまなお子さまとの出会いがあった。
どの子にも、かけがえのない思い出がある。
すずねちゃんは0才で入園した。
優しくて素敵なママとお別れするのがそれは辛くて悲しい日々だった。
登園すると、保育園の喧騒に日々お付き合い下さって、十分に慣れているはずのご近所の皆さまでさえ「何事か!?」と窓を開けるような絶叫で、預けられるという現実を必死で拒絶した。
ひたすら泣き続け、抱っこしてもおんぶしてもダメ。
眠れず、ミルクも飲まず、離乳食も全く口にしない。
それでも現実は無情にも変わらない。
ママは毎日仕事に行く。
そのうち、すずねちゃんも少しずつ適応していった。
少しずつ食事に手をつけられるようになり、少しずつ眠れるようになった。
そうして、すずねちゃんは1才になった。
ある日の朝だった。
登園してママとお別れする時間。
この時間ばかりはどうしても慣れることが出来ず、いつも大泣きしてママにしがみついていた。
でも。
その日のすずねちゃんは違った。
目には涙がいっぱい溜まっていたけれど、表情はうっとりするほど毅然としていた。
すずねちゃんは自ら部屋に入り、ママを真っ直ぐに見つめて手を振り、それから自分でお部屋のドアを閉めた。
目の前にいる、1才になって間もない女の子の醸し出す空気に圧倒されて胸がいっぱいになった。
誇り高いすずねちゃんにふさわしく、
ーご勇姿、しかと拝見させて頂きました。本日も全力でお相手させて頂きます。
心の中でつぶやいた。
頑張り屋のすずねちゃん、今頃きっとママの方が泣いてるよ。
きっとそう。
絶対に楽しい1日にしようね!
日々駆け上がるかのように成長する子どもたち。