ずっと父のそばにいなければ、と思った話。

慢性腸症と繊維反応性疾患、それに、膀胱および腎臓結石を患っているソルの食べるモノについては、もうとんでもなく大変な思いをしている。

六、ごはんスト。こじらせ編 - onoesanと猫と保育となんやかんや。


体調を崩さないように、数種の療法食や薬を、微妙に匙加減しながら様子を見る日々だ。


そんな飼い主の心も知らず、常に、

「床に何か落ちていないか」

「口に入れるべき新規物件はないか」

と、ウロウロ、キョロキョロ、とりあえず何でも口に入れ、入れては噛み、すきあらばゴックンするソルである。

窓の結露でさえ、欠かさず味見しようとする。


そんな風に育ってしまったのは、もちろん生まれ持った気質もあるだろう。

しかし。

しかし明らかに、後天的に学習をした側面もあることは否めない。

明らかに何者かが意図的に、ソルにフード以外のものをあげていた。

あげていたというより、床に意図的に落としていた…床をあのように物色して歩くのが何よりの証拠だ。


結論から言えば、この犯人は斬髪事件の時の犯人と同じである。
保育園で。ミチオくんを見て思い出した過去の出来事。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。

そしてコレが証拠写真である。
(早くナニか落とせ、とせっついている。)


今日一日、父が我が家に来ている間、決してそばを離れようとしなかった。


一緒に住んでいたのは2年前。

さんざん世話をしていた母のことは忘れたのに、面白半分に酒の肴を落としていた父のことは覚えていた。

忠犬ハチ公のような立ち姿で、何か落ちてこないかひたすら待っている。


しかし父は、斬髪事件の時と同様、

「たまたま落としてしまったモノを食っちまうのは、ネコだからしょうがない。」

と、まったく悪びれない。

悪びれない、どころか今日もスキあらば、何かを落とそうとするのだった。

そんなわけで今日は一日中、父が何か落とすのではないかと気が気ではなかった。

そのため父のそばを離れられず、結果として、私も忠犬ハチ公のように、今日はずっと父のそばに立ち続けていたのだった。