唐突ですが、一時期、将棋の藤井聡太さんで大いに有名になったモンテッソーリ教育。
「え?ウチの子も天才になれちゃう?」と、人気が高まって、幼稚園や保育園では、程度の差こそあれ、導入しているところが結構あります。
ただ、そこまで。
日本では、モンテッソーリ教育の小学校となると認可外小学校となってしまうので、わずか数校しか存在しません。
でも、モンテッソーリの小学校で一番最初に教わる「宇宙教育(Great Story)」
これが、日本のフツーの小学校の一番最初と全然違うので「へぇ〜〜っ」てなります。
かなり昔、日本のフツーの公立小学校の1年生だったワタシは、
「こんな風に小学校のお勉強がスタートするのも良いな〜」
って思ったりします。
というのも、日本のフツーの公立小学校に入ったら、国語、算数、理科、社会、体育…と、科目別にそれぞれが、よ〜いどん!とスタートします。
それはそれでワクワクするけれど。
モンテッソーリ教育の方は、まずは大きく広く、全体から、というスタンスです。
考えられる一番大きなVisionということで、宇宙のお話からスタート。
入学すると、まず、ビッグバンから銀河系〜地球誕生までを、先生が物語のような形で易しく語ってくれます。
それから、岩とか水とか大気とか。
それぞれが調和しながら地球が形成された話。非生物のお話。
次に生命の誕生。人類が現れるまでのお話。
そして人類の誕生。
知性とか、愛とかココロの起源。
で、文字。
文字が生まれて「歴史」の始まり。
知恵の深まり。
で、数字の誕生。ゼロの発見。
最後に、大いなる川の物語、です。
この物語は、人間の体、内臓器官を巡る血液のお話であるのと同時に、社会を網羅する流通のお話でもあります。
6章から成る一連のお話を、入学から卒業までの節目節目で何度も聞かせてもらえます。
知識が深まると、物語もどんどん深く理解できるような仕組みになってます。
初めてキチンとお勉強をスタートさせる最初の最初に、こんな壮大な話をわかりやすく聞かせてもらえるのってめっちゃ親切!
「なんで勉強なんかしなきゃいけないの!?」
の前に、本当は幼少期のワタシなどにもあったはずの知的好奇心がくすぐられるかもしれない。
実際の先生の語りでは、火山の噴火なんかをミニチュア版で実演してくださったりします。
まぁモンテッソーリがキリスト教の信者なので、宗教くさい部分もあるのですが、高学年になってくると、お話の中に登場する「神様」を「科学」に置き換えて内容を理解できるようになっていくようです。
また、モンテッソーリ小学校には教科もなければ学年もない。
そんな学校も楽しいかもしれない。
Great Storyから始めてもらったら、冬の星座観察ももっと真面目にやったのではないか。
アサガオの観察に、生命の神秘を感じて夢中になったのではないか。
いや。
「壮大な宇宙の歴史の中にあっては、夏休みの宿題なんてホコリカスですらないから」
…などと悪態をついて、宿題を放り出している自分が目に浮かぶ。
向き不向きはあるかもしれません。