保育園で。科学的に答えるのは大変だという話。

風は強いけれど、春めいた日差しが気持ちの良い日だった。


保育園では、2月になり、いよいよ進級が目前にせまってきた。


その時期に特有の、独特なくすぐったい空気が漂い始めている。
みんなもうすぐ1才クラスを卒業して、ひとつお兄さん、お姉さんになるのだ。
顔つきもグッとカッコ良くなってきた。


気づけばほとんどのお子さまが布パンツで生活している。
今年は特に排泄の自立が早めのお子さまが多かった。

ここまで来るのに何度おもらしを拭いたことか。
感慨深い気持ちでいっぱいである。
(まだまだ拭くけど)


お話も本当に上手になった。

0才クラスの時には、コトバが遅くてパパとママを心配させていたカナちゃんは、今では近所のオバサンのようにペラペラと、お昼寝の時以外はずっと喋っている。


賢さが止まらないショウイチくんは、0才クラスの時からお話が上手だったけれど、最近はそれが更にパワーアップしている。

還暦を過ぎても知らないままの男性もいる中、とても大切なことを既に保育園で学んでもいる。

保育園で。ショウイチくんはとても大事なことを学んだ。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。


そんなショウイチくん、最近では、みんなより少し早めに立派な"どちて坊や"になった。

目が合うと必ず何か聞かれる。

ショウイチくんには、

ーどうして雨が降るの?
「おひさまが泣いているのかもね。」

と、ファンタジーで受け流したり、

ーどうして雨が降るの?
「どうしてだろう。ショウイチくんはどう思う?」

などと、そのままご返却したりせず、

正しい答えを、一端だけでも伝えた方が良いような気は、私もしていた。


が、ショウイチくんの質問は、前日予習する時間をもらえないか、もしくはいったん持ち帰らせてもらえないかと思うようなことが多い。


例えば…

「どうして、雨が降って濡れると、おすべり台はあまり滑らなくなるの?」

とか、

「どうして、ニンジンは固いのにスープに入っていると柔らかいの?」

とか、

「どうして飛行機が飛んだ後に、お空に白い線ができるの?」

とか。

理科じゃん…。

摩擦の話とか、細胞の話とか水蒸気の話を2才のお子さまに伝えるスペックを持たない。

で、結局は、

「どうしてだろうね。」

と、得意のフレーズで逃げていた。


そんなコトをしていたら、この件について連絡帳にお父さまからコメントを頂いた。


「最近ショウイチは、何にでも強い好奇心を持ち、よく質問をしてきます。保育園でもそうかと思いますが、聞かれた時には、科学的に正しい事実を伝えて頂けたらと思います。」


科学的に正しい事実…

…。


その日以来、ショウイチくんと目が合うと慌てて逸らすようになってしまったのは私だけではない。

ショウイチくんが字を読めるようになり、自分で勝手に調べてくれる日が1日も早く訪れることを願ってやまないのだった。


※これはあくまで私の体験談をベースとした話です。保育方法をはじめとする諸々は保育園によって千差万別です。