猫のキャラ変にとまどっているという話。

最近、頭の中でイメージしているチビデブおばさんの姿と、鏡で見る自分の姿があまりにも酷似し始めており、もうホラー以外の何物でもない。
動くとコミカルな感じ。
恐怖でいっぱいである。

チビデブおばさんの侵略。 - onoesanとなんやかんや。

既に精神も乗っ取られ始めており、もう運動する気がこれっぽっちも起きないし、夜寝る前には高カロリーなものを食べたいのだった。

チビデブおばさんは、食べないとイライラして厄介なので、仕方なく従っている。


ルナの様子がおかしいのは、ひょっとしたら、そんな風に心も体を乗っ取られ始めている飼い主の異変に気付いたからかもしれない。


最近、ルナの様子が本当におかしい。


もともと病気づくめで大変だったのは彼女の方だった。

なのに、ソルがあまりにも派手にしつこく、

「ああ、腹がイタイイタイ。あれ、でもなんか落ちてる、ゴックン。なんじゃ、こりゃ。何食べたんだろ。ああビョーキだビョーキだ、ボクもう死ぬと思うんでーす。ホンニャー」

とやかましく訴えるのでついつい心配するのを後回しにしてしまっていた。


弟がヤンチャで手がかかると、お母さんはついつい、自立しているように見えるお姉ちゃんに、

「お姉ちゃんは安心ね。」

などと言い、その気持ちに気づけないものである。

そのうち、お姉ちゃんが心に鬱屈した思いを抱える…


ひょっとしたら、今の彼女はそんな状況にあるのかもしれない。


それとも、彼女は私にではなく、今まさに私を飲みこまんとしているチビデブおばさんに喧嘩を売っているのかもしれない。

だとしたら
ルナ、ありがとう。


とにかく、怒りの矛先がコチラに向いている。


好戦的な目つきでコチラを見る。
好戦的な目つきはそのままコチラに向けたまま、部屋の中を練り歩く。
顔はコチラを向いたままだから、本当に怖い。


ソルのことはほとんど相手にしなくなった。
もう、いないことにしよう。
そう思うことにしたらしい。
ソルがにおいを嗅ぎに来ても、以前のようにヒステリックに怒ったりしなくなった。


ハタキのように立派なシッポをブンブンと振りながら近づいてきて、今どんなに怒っているかわかるか?とコチラを睨みつけてくる。


また、前脚を水皿に浸して十分に吸水させた後、その筆のような脚を思いっきり四方八方に払って、あたり一面を毎回水浸しにするようになった。
今まで、一度たりともそんな振る舞いはなかった。
仕方なくペットシーツを敷いている。


動物病院で聞いてみると、

「うーん。何か思うところあるのか、ルナちゃんの中で流行っているのか…病気ではないです。」

と言われた。


もともと、ルナは、
「イライラしている」と、
「今、ちょっとだけ甘えたい気分」
くらいの感情表現しかしない。

今は「イライラしている」だけになってしまった。

ちなみにソルはイライラしたことがない。
彼は、
「いやだ」と、
「ハラヘッタ」と、
「なんかくれるのか」だ。


真意はわからない。
痩せたら怒られなくなる可能性はゼロではない。

「ちょっとだけ甘えたい気分」の時のルナは最高に可愛いので、できることは全てせねばなるまい、彼女のためにもここで踏みとどまらねば、と、しつこく思ったのだった。