この前の日曜は、朝から近所の神社とその隣の公園を清掃する、町内会の当番の日だった。
事前に配られたプリントで時間を確認して、集合時間の9時に着くように家を出た。
公園に近づくと、既にたくさんの人の声が聞こえる。
(え?まだ9時前だけど?)
慌てて時計を確認する。
以前、こども会の清掃当番だった時も集合時刻は同じ9時だったけれど、その時は9時に着いたのに半分も集まっていなかった。
(プリントを見間違えたかな?)
公園が見えてくると、既にたくさんの人が箒とゴミ袋を持って作業している。
今回も、先日行われた町内会の役員決めの時と同じく、ご高齢の方ばかりだ。
町内会の役員決めに参加した話。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。
慌てて、
「おはようございま〜す!すみません、すっかり出遅れました〜!」
と、誰に話しかけるということもなく、あたりの人たちに聞こえるように大きな声で挨拶しながら走って境内まで進む。
境内に着くと、町内会長のクスノキさんがいた。
先日お見かけした時から更に体調が良くなったご様子である。
町内会長は引退しても町内パトロールは頑張って欲しいという話。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。
この調子なら会長続投もあるかもしれない。
「おお、どうもどうも。朝からお疲れ様です。」
「すみません!すっかり遅くなってしまって。」
「いえいえ、時間どおりですよ。」
…ですよね。
やっぱり時間どおりですよね。私、合ってますよね?
あたりは既に積み重なっているゴミ袋の山。
ひとしきり働いた後のような皆さんの表情。
はっきり言って、終わっているようにしか見えない。
とりあえず指示されたとおり、公園の外周に竹箒を持って向かってみた。
が、既に落ち葉の山があちこちに積まれており、枯葉1枚残されていないのだった。
近くにいた人に聞いてみた。
「あのー。皆さん、いつから始められたんですか?」
「さあ…。私が8時過ぎに来た時は、もうけっこう人がいたわねえ…。」
「8時過ぎ? でもプリントは9時になってたと思うんですけど…」
「そうね、そうなんだけど、もう皆さんいるかしら?ってちょっと来てみたの。
そしたらやっぱりもう皆さんいらしてたのね。
やっぱり気になっちゃうから早く来ちゃうわよね、こういうのって。」
いや、まったく気にならないから早く来ちゃわないけど…と思っていると、近くで聞いていた人が、
「そうなのよ、気になるわよね。
私、近いから2階に上がって窓から誰か来てないかな、ってずーっと様子を見てたのよ。
それでチラホラ人影が見え出したから、ヨシッて思ってすぐに来たのよ。」
「ウチも横でおじーさんがずーっと煎餅バリバリ食べてて外の音が全然聞こえなかったから、静かに!って黙らせて、ずーっと耳を澄ませてたの。
そしたらちょっとザワザワし出したから行ってみようって思って。」
どうも早い人は7時半頃には始めたようだった。
9時集合で7時半…。
ウチのおじいちゃんが、特別せっかちなのだと思っていたがどうやら間違いだったらしい。
歳をとると大抵はせっかちになるようだ。
この分だと、クリスマスの頃にもお年玉をもらっていたのは私だけではなさそうだし、結果、一人勝ちしていたのはウチの母だけではないのかもしれない。
年末のスーパーで祖父を思い出した。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。
こども会と町内会の参加者の平均年齢の差は30才くらいだろうか。
同居がうまく行くわけがない一端を垣間見た気がしたのだった。
結局、9時に着いた時にはほとんど終わっていたため9時10分には解散した。
ほぼ何もしていない私も、頂いたお茶のペットボトルを手に帰途についた。
公園を振り返ると、ベンチに腰掛けて、もらったばかりのペットボトルのお茶を飲みながら楽しそうなおしゃべりが始まっている。
みんな、このメインイベントが楽しみでせっかちだったのかもしれない。
次に我が家に組長当番が回ってくるのは約15年後。
祖父の血を引いているのだから、その頃には私も相当せっかちになっているはず。
健康を保ち、見事その年になれた暁には、公園に一番乗りして若いヤツらを驚かせてやろう、と思っている。