我が家の最上位に君臨する老猫の話。

とうとう6月。誕生月まで漕ぎ着けた。

漕ぎ着けた、と言っても本人の意図ではないけれど。

生き物としての彼の力、それに現代医療、クスリの力が加わった結果である。

ダンディーな15才にはなれないだろうという周囲の予想を覆し、異例の復活劇を今なお続けている老猫ソル。

老猫が退院してきた。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。

まったくダンディーではないが、15才になれそうな気配をプンプン醸し出すようになってきた。


いや、もはや"醸し出す"というレベルではないかもしれない。


この頃の彼を見ていると、何かの大会でも控えているのだろうか…と思うほどである。


この1ヶ月半の間に2.5キロだった体重を3.5キロにまで増量した。


50kgの人間が1ヶ月半で70kgにまで持っていった、単純計算ならそういうことになる。


相変わらず深夜から早朝にかけて吐き散らすし、下痢も続いており、まったく健康ではない。


しかし、「そう言った体の不具合の分も、自分はしっかり食べようと思っている」と言わんばかりの食欲を見せている。


ここのところ、目が合えばすぐにいそいそと「何か食べる物をください」のポーズに入るので、後ろ脚はずいぶん鍛えられており、もしも後ろ脚の脚力を競うような競技があったら確実に入賞できるだろう。

ブログを始めた時、説明のところに

「2匹の老猫たちがより良い生活を獲得していく手口と、ネコの圧政のもとで絶え間なく営まれるヒトの生活のあれやこれや。」

と書いた。

今、現実的にこういう雰囲気になりつつある。


日々の生活の中心は、いつのまにか完全にソルである。


ここのところ蒸した鳥の胸肉とニンジンのすりおろしを、ほぼ毎日用意させられている。


カリカリをほとんど口にしなくなり、猫缶すら同じモノが2日続くと飽きる(だけでなく、ひどい下痢になる)今、比較的腹持ちが良く、(猫缶に比べたら)安価で、毎食でなければ飽きない胸肉、それに食物繊維を補うニンジンは欠かせない。


主食は胸肉とニンジン、ヒルズのお高い腸内バイオーム缶、ひどい下痢になるけれど、仕方なくの黒缶、カル缶。


それに、ごくまれに気が向いたら各種カリカリ。


実際この週末も、食べても著しく体調を壊さない新規のフードはないかと探し歩くことで終わってしまった感がある。


色々と店舗を渡り歩いて実際の商品を眺めていると、ネット検索とは別の閃きがあり、今日もそうだった。


毛玉排出用のフードも比較的高繊維、ひょっとしたらイケるんじゃないの!?と内容を確認し、試しに買ってみたのだった。


が、イケなかった。ひどい下痢になってしまった。ソルごめん。しかし君はムズカシイ。


ソルがイケなかったお残しはルナが大喜びで食べる。

ただしルナは唯一、胸肉が苦手なのだった。


だからこちらは細かく刻み、卵と片栗粉で固めて揚げ焼きし、息子に提供する。
(もちろん食べ残しではありません。)


すると大喜びで食べる。


我が家に来てまだ1年半にして、気づけば頂点に君臨しているのだった。