onoesanと猫と保育となんやかんや。

おいぼれ猫たちとの日々と、あれやこれや

保育園で。園庭で働きづめのしーちゃんの話。

※これはあくまで私の体験談をベースとした話です。保育方法をはじめとする諸々は保育園によって千差万別です。

勤めている保育園では、伝い歩きが出来るようになる頃から、徐々に園庭のお砂場にデビューする。


初めのうちは、バケツやスコップは出さない。


出してしまえば、そうした道具を触るのに忙しく、肝心の"砂"に触らなくなってしまうからだ。


この時期はまだ"砂"そのものにたくさん触ることを大切にしている。


サラサラと指からこぼれ落ちるのを見つめたり、砂の中に手を突っ込んで、ひんやりとした感触を味わったり、時には体ごと突っ込んでお砂まみれになったり…と、砂そのものとしっかり向き合ってもらう。


お砂場遊びはそこから始めている。


0才クラスで入園したお子さまたちも、進級まで残すところ2ヶ月余り。


お砂場にも十分慣れ、体つきもしっかりしてきた。
まだ言葉を話さないお子さまも、こちらの言うことはしっかりと理解できるようになりつつある。


ということで年明けから、お砂場セット解禁となった。


スコップやバケツに始まり、砂型やコップ、空容器などがお砂場の横の棚に並び、お子さまたちの心を鷲掴みにするこの頃である。


0才クラスの、まだまだ赤ちゃんの面影が残るお子さまたち。
小さな手で、それぞれが気に入ったモノで遊ぶ姿は、ほのぼのとして本当に可愛らしい。



1人を除いて。



しーちゃんはお砂場セットが解禁されて以来、園庭ではまったく遊ばなくなってしまった。



しーちゃんは弱冠1才にして、どうやら働いている。



園庭に出るとまず、棚からすべてのお椀を取り出し、その1番上にスコップを入れる。


それを両手で必死に抱えて、すべり台の下まで1人で運ぶ。


重いし、バランスも難しい。


この開店準備の段階で、既に顔つきが険しい。


それからお砂場まで何度も往復して、お椀一つ一つにしゃもじ(スコップ)でごはん(砂)を盛り、自分の店(すべり台の下)に戻って並べる。


支度が完了すると、ジッとコチラを見る。


呼び込みは一切しない。


ただコチラをジッと見つめ続ける。



やがて圧に負けた保育士が、

「あれ?しーちゃんゴハンよそってくれたの?すごーい!先生、食べに行ってもいいかな?」

などと声をかける。



しーちゃんは無言で頷く。

保育士が行くと、他のお子さまたちも付いてくる。

「わぁ、おいしそう!みんな見てみて!たくさんよそってくれたよ。しーちゃん、みんなで食べてもいいかな。」


コクリと頷く。


保育士が「いただきまーす!」と言って食べる(フリをする)と、お子さまたちも真似をする。


その様子をしーちゃんは相変わらず無言で、じっと見ている。


食べている(フリをしている)時、カズマくんが足元に木の実が転がっているのを見つけて、嬉しそうに拾った。


その瞬間、しーちゃんの手がパンッとカズマくんの手を払った。


木の実はカズマくんの手から転がりポトンと落ちた。


一瞬の出来事にカズマくんはポカンとしている。


しーちゃんは諭すような目つきで、

「バッチよ!メッ!(汚いでしょ!ダメ!)」

と叱った。


その後も、食べたフリに飽きてすべり台をしようとするお子さまに、

「マンマよ!メッ!(食事中よ!ダメ!)」

と叱り、


お椀の中に石や葉っぱなど、他のものを入れているお子さまに、

「ないない!メッ!(片付けなさい!ダメ!)」

など、立て続けに注意するのだった。



そろそろいいかな…と、様子を伺いながら、

「あー、おいしかった!しーちゃん、ごちそうさまでした!」

と手を合わせる。


「かーり?(おかわりするの?)」

と聞くしーちゃん。


「おかわりしても良いの?じゃ、おかわりお願いします!」

コクリと頷き、無言でゴハンを盛る。



そうして園庭にいる間、ひたすらゴハンを盛り、マナーの悪い客を叱り、おかわりの注文がないか、常に目を配りながら働き続ける。


お砂場セットを出してこの方、忙しいしーちゃんが、以前のように、すべり台を「シュ〜ッ!」と叫びながら滑っているところも、鉄棒にぶら下がって歌いながら揺れている姿も一度も見かけない。


なぜか、圧が強くマナーにうるさく、その上無愛想な"定食屋のオバチャン"になってしまう。

おいしければ客は来るが、砂を食べるフリなのだから、せめてもう少し店の雰囲気をよくしてもらいたい。



「しーちゃん、おつかれさま。そろそろお部屋に入ろうか?」

と言うと、無言で店じまいを始める。

すべて棚に入れ終わると、ようやくホッとした表情になる。



しーちゃんは一体どうして、園庭にいる間中、あんなにガムシャラに働いてしまうのだろうか。


わからない。


そうしてお昼ゴハン

客のマナーには厳しいしーちゃんだが、本人は、盛られたゴハンの上に汁物をかけて、毎回すべてのメニューをぶっかけゴハンにしてしまうのだった。

PTA会議が大喜利大会のようだった話。

先週、中学校で今年最初のPTA会議があった。


ムスコが進学するまで、PTAなんて小学校だけだと思っていた。


だから進学して最初の保護者会で、校内美化委員会の副委員長に当たったことを知った時は本当にショックだった。

が、気づけば残すところあと数ヶ月だ。


PTAはボランティアというのは名ばかりで、例年相変わらず、恐怖のクジ引きが決行される。


以前は小学校同様、自分のクジは自分で引くというシステムだったため、4月の保護者会はスリルと緊迫感に満ちていた。


しかしコロナ禍により、校長先生が代わりに引くというシステムに変わった。

(当初は担任が引いていたが、担任に"当たりクジ"を引かれた保護者が担任を罵倒し、担任業務に支障をきたしたため校長が一括することになったらしい。)


校長先生は、
「この要職についたおかげで髪が薄くなってしまった」
と、保護者の同情を引きつつ薄毛の言い訳も盛り込んだボヤキを口にした。


確かにそんな恨まれ役をやるのは災難だし、髪が薄くなってしまった校長先生を責める気持ちにはなれず、粛々とお役目を仰せつかったのだった。


実際、月1回の定例会に毎回出るなんて不可能だと思っていたが、時々代わってもらったりして何とかやりくりすることができた。


そうして任期の終わりも迫ったこの日、会議はスムーズに進み、最後に会長がいつもどおり、

「では何かご意見、ご質問のある方はいらっしゃいますか?どうぞご遠慮なくおっしゃってください。」

と、締めにかかった。

いつもは手が挙がることもなく、これでおしまいとなるのだが、その日は、

「すみません、ちょっと個人的な悩みで、ここで聞くことでもないんですが皆さんのお話を伺いたくて…」

と、私の隣の隣に座っていた、とても優しそうな雰囲気のお母さんが思い詰めた表情で切り出した。

会長は少し驚いたものの、嬉しそうに、

「どうぞどうぞ。何でも大丈夫ですよ。」

と、続きを促した。


「すみません、実は最近、ムスコが全然口を聞いてくれなくて。部屋にも入るなって言われてて、もう、とりつくしまもなくて。配られたはずのプリント類も全然渡してくれなくて困ってしまって…」

と、本当に困り果てた様子で言った。


それを聞いて私は、
「コレが話に聞いている反抗期か…」
と思った。


確かにウチのムスコも似たようなものだ。


そもそもムスコが一番立派だったのは小学一年生の頃だ。
あの頃は本当に良い子だった。


今となっては到底信じられないコトだが、学校から帰宅すると真っ先に、いそいそと、ランドセルを開けた。


そうして国語の教科書を取り出して、私のそばに来ると「はなのみち」を高らかに音読してくれた。


冒頭の、

「くまさんが、ふくろをみつけました。おや、なにかな。いっぱい はいって いる。」

を一生懸命に読んでいる姿は、本当に可愛いすぎて、世界中の人に見せてあげたいと思ったくらいだった。


それが高学年になると、靴も脱がずにそのまま遊びに行くようになった。


ランドセルは、玄関からリビングに向かってアイスホッケーのパックのように滑ってきて、そのままセミの死骸のように転がって、翌朝まで触れられることもなくなった。


中学校になったらもう、持っていっているリュックはリビングにすらやってこない。
ランドセルと違って滑らない素材だからだろうか。
玄関脇にとどまっている。


そんなことを思っていると、


「ウチなんか…」

誰かが言い始めた。

「壁に穴を開けたんです…」

するとまた別の人が、

「ウチなんか…外で会った時は他人のフリをしろって言うんです。」

すると、堰を切ったように次々と、

「ウチなんか…部屋に入る時は3回ノックしろって言うんです。」

「ウチなんか…半径1メートル以内に入ってくんなって言うんです。」

「ウチなんか…オレが"良い"って言うまで絶対目を合わせるなって言うんです。」


さながら、
お題「ウチなんか」の5文字で始まる、大喜利大会の様相を呈してきた。


甲乙つけがたい出来だったが、私の中で優勝したのは、

「ウチなんか…通知表は犬が全部食ったって言うんです。」

ヤギだろ…と言いたくなるのと、テーマの反抗期から逸脱しているものの、こんなムスコはありだな…と思ったのだった。

六十一、サイリウムの効果の程が気になるという話。

年明け間もないうちから早速いつもの下痢になってしまったソルだったが、食物繊維豊富なダイエット用の療法食を食べているうちに回復した。

六十、今年もこの老猫は相変わらずだという話。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。

…と思ったらコレが大間違いだった。

良かったのは朝の一度きりで、食べる量が少なすぎるせいか、すぐにまた元の下痢に戻ってしまったのだった。


ちょうど、先日試しに注文したサイリウムが届いたところだったので、不安はあるものの試してみることにした。
どうか1日でも長く、うまく付き合ってもらいたい…。

十八、飽きという課題。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。


元を正せば、サイリウムに行き着いたのは「繊維反応性疾患 ネコ」で検索した結果、出てきたのが「フレンチブルドッグ グーちゃんのブログ」だけだったからだ。


繊維反応性疾患を患うブルドッグのグーちゃんの調子がすっかり良くなったとして、ポチれポチれボタンと共に写真掲載されていたのが、海外のサプリメント「メタムシル」(人間用)。


それが高い上に量もすごく多かったから、ポチるどころか何か他に代用できそうなモノがないかと探すことにした。
それがサイリウム購入のキッカケである。


おかげで、しぶとくて面倒な雑草だとしか思っていなかったオオバコが、実はけっこうスゴイ草だということがわかった。


というのも、メタムシルもサイリウムも突き詰めればオオバコから出来た粉なのだった。全然知らなかった。


食物繊維が豊富でカロリーが低いため、ダイエットしたい人たちに人気らしい。
チビデブおばさんが体内に滞在中の私も試した方が良いかもしれない。


しかし、いくら猫の下痢で検索してもフレンチブルドッグのグーちゃんのブログしか出てこなかったのに、逆に「サイリウム」で検索すると、いくらでも「繊維反応性疾患の猫」の情報が出てくるのだった。


猫の下痢や便秘で悩んでいる人はみんな、

「下痢 猫 治すには」とか、
「便秘 猫 効果」

などと入力して検索するのだから、そこに答えである「サイリウム」が出てきてくれないことには意味がないのだ。


おかげでずいぶん遠回りしてしまった。
(調べ方に問題があるのだろうということは薄々気づいております。)


この上、万が一このサイリウムが劇的な効果を示したら、私の頑張ってつらつらと打ち込んできたこの猫ブログの半分以上が「いらん行為の記録」になってしまいかねない。


サイリウムは効いて欲しいが、効きすぎるのはちょっと…という大変デリケートな心持ちなのであった。



そうして、様子を見ること数日間。


久しぶりに過去に感じたことのある懐かしい気持ちが甦ってきた。

十七、トイレの前でうっとりと佇む。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。

これは…というくらい良い状態。



かかりつけの動物病院の先生には止めた方が良いと言われたけれど、これだけ結果が出るのなら続けてみようと思う。



このまま調子良くコトが進めば、ブログの半分は意味のない行為の記録になるが、まあソルだけにこれで解決とはいかないだろう。そういう子だから。

四十八、動物病院入院3日目。尿道の石をやっつけろ! - onoesanと猫と保育となんやかんや。


コレで収まったらもちろん嬉しい。

嬉しいが、この1年と2ヶ月間、この病にかかった労力と費用を考えるとやりきれなくなる。

しつこいが、そういう、大変デリケートな心持ちの今日この頃なのだった。

保育園で。中学生が職場体験にやってきた話。

働いている保育園では年に1回のペースで、職場体験として地元の中学生を受け入れている。


3年生になると受験を控えてそれどころではないため、来るのは1年生と2年生の保育体験を希望した子たちである。

希望するだけあって、子供好きで面倒見の良い子ばかりだ。


ただ3日間で終了してしまうし、何人も来るので、期間が過ぎれば顔も名前も忘れてしまう。


でも米田くんのことだけは、いつまで経っても懐かしく思い出すのである。



米田くんは職場体験当日、他の中学生たちに3メートルくらい遅れ、うつむき加減で保育園に入ってきた。


他の子たちが健康的でまっすぐな印象の中、ひとり、反抗期の真っ只中です!今かなりフテくされてます!赤ちゃん絶対ムリです!と体全身で訴えていた。

髪を染めていないことに逆に違和感を感じてしまうような、ヤンチャな雰囲気の、絶賛中学2年生だった。


園長先生に挨拶をしてから、2人ずつ指示された部屋に入って行く。


米田くんは、小柄で笑顔の可愛い女子中学生と共に、0才さんのお部屋に入ってきた。


入るなり、部屋の一番端っこの方に胡座をかいてドッシリ座った。

そしてまったく興味なさげに、ただただ時間が過ぎるのを待つことに決めたらしく、視線は漫然と床に向けていた。


一方、女子中学生の方はニコニコと笑顔でお子さまたちに近づき、早速一緒に遊ぼうとしてくれている。


私は米田くんに驚いた。そして、

「これは時間の問題だな…。」

そう思い、見守ることにした。


そうして。案の定。

思った通りの展開だ。


しばらく経つと、お子さまたちのほとんどが米田くんの方をジッと見始めた。

最初に動いたのはやはりコウタくんだった。

少し近づく。ジッと見る。また一歩進む。また一歩…。

米田くんが視線を合わさないことを良いことに、さらに動かないことに多いに安心して、着実に距離を詰めている。

そしてその気配に耐えきれなくなった米田くんがコウタくんの方を見たその瞬間、コウタくんは米田くんの胡座の上に乗っかった。

コレはオレの獲物だ!と言わんばかりのドヤ顔。

それを合図にワラワラとお子さまたちが近づいていく。


0才さんのお部屋には人見知りの真っ只中のお子さまも多い。

知らない人の「視線」は、たとえ笑顔であっても時に怖いものであり、特に人見知りの強いお子さまや、まだドキドキしているお子さまに対する時には、目を合わさない方がうまくいくことがけっこうある。

そして胡座をかいてドッカリ落ち着く。
コレもお子さまにとっては大きな安心材料だ。

もう1人の女子中学生は小柄なので大丈夫だが、米田くんのように大人並みの身長だと、動かないでドッシリとしていた方がいい。

米田くんは期せずして、お子さまたちを最も呼び込む理想的な体勢を取っていた。


好奇心いっぱいのリナちゃんは、米田くんの背中にまわって、そこから頭に向かってよじ登り始めた。

首を掴んだ時に、米田くんの首元から、シャツの襟で完全に隠されていたチェーンのネックレスが一瞬キラッと光った。キラキラに目がないカスミちゃんが見逃すわけがなかった。

吸い寄せられるように米田くんの首に手を巻きつけたカスミちゃんは、上手にチェーンを引っ張り出した。


ここまで、あまりの出来事に半ばパニックになっていた米田くんが、そこで初めて顔を引き攣らせて怒りかけたその時、

一緒にお部屋に入った女子中学生が、

「え〜!?なんか米田すごい!モテモテじゃん。いいなぁ〜」

と、心底羨ましそうに言った。

米田くんは怒るタイミングを失った。

その後もひっきりなしにお子さまたちに登られ、抱きつかれ、鼻水をつけられ、ベタベタした手で揉みくちゃにされているうちに昼になった。

米田くんは休憩に行き、お子さまたちは「アイツがいない」と訴えてきたが、お昼ご飯を食べてしばらくすると全員がお昼寝に入った。

休憩から戻ってきた米田くんは、皆が寝ていたのでホッとしつつも所在なさげだった。

チャンスとばかり、聞いてみた。

「米田くんはどうして保育園を体験してみたかったの?」

米田くんは仕方なく答えてくれた。

「いや、全然。学校サボってたら、ほか全部取られててコレしか残ってなかったから…」

「え〜?けっこう人気があるって聞いたよ?」

「ああ、女子枠は完全埋まるんスけど男子は全然。」

「米田くんは他に行きたい職場があったの?」

「ほんとは弁当屋が良かったっス…」

「お弁当屋さんも立ちっぱなしで疲れるんじゃない?」

「いや。事務所でテレビ見ながら値段貼るだけらしいス。それに…」

「それに?」

「…好きな弁当、2つ食っていいらしいんス。」

そう言って、ちょっと可愛い顔をした。


3時になって、みんなが起き始めると、米田くんの周りには再びお子さまたちが群がった。

最初に「ボクの」と態度で示したコウタくんは、米田くんが見ててくれなければオムツを替えないと頑張り、オムツ替えスペースに米田くんを連れ込むことに成功した。

米田くんに見守られて、なぜか得意げにひっくり返って布オムツを交換してもらうコウタくん。

米田くんは、もう普通に優しそうな顔で、

「へえ〜。こんなの着けてんスか。」

と興味深げに見ている。


「やってみる?」

と聞くと、それはさすがに、

「いいっス。ムリッス。」

と断った。


そうして1日目が終わり、2日目、3日目と米田くんはどんどん満更でもないという表情になっていき、最終日の3日目にはコウタくんにせがまれて、一緒に小さなお子さま用のすべり台を何度も滑っていた。


ただの一度も自分からお子さまに誘いかけなかったのに、すっかり人気者になってしまった米田くん。最後に、

「ありがとう、すっごく助かったよ。大変だったでしょ」

と言うと、

「ああ。はい…大丈夫ス…」

と返してくれた。


将来は絶対いいパパになるよ!と余計なひと言をつい言ってしまったら、眉をしかめて、とても迷惑そうな顔をしたのだった。


※これはあくまで私の体験談をベースとした話です。保育方法をはじめとする諸々は保育園によって千差万別です。

ココから先には入らないで、という話。

パーソナルスペースというモノは、0才クラスのお子さまたちはおろか、老猫にもあるということを、一緒に過ごしていてつくづく感じている。


そしてさらに、パーソナルスペースの広さに関しては、女の子の方が、相手との関係性に、より大きく依存するということも感じている。


そこに男女のすれ違いも生じやすいのではないか、という気がしている。


ソルとルナを見ていてもそうだ。


この2匹はいつも、ソルがルナの半径50センチ内を侵したところで戦いを始める。
そういうルールでも作っているかのようである。


毎回そのパターンなのだから、いいかげん
「意味もないのに近づくと怒られる」
ということを学習しても良さそうなのにソルはそのことに全く気づかない。


爪で引っ掻かれたり、猫パンチをされたりしても、
「ボクは今、一体どうして怒られたんだろう…」
という表情で呆然としている。


ヒナちゃんとユウタくんもコレと似た関係性である。
2人は0才組のクラスメートだ。


ユウタくんはヒナちゃんが大好きだけれど、パーソナルスペースをわきまえず、怒られてばかりいる。


この前も、ヒナちゃんと先生でギッタンバッコンを楽しんでいたら、真ん中に割って入って「バッコン」の時に、思いきり幸せそうにヒナちゃんにもたれかかった。

おかげで、ヒナちゃんの
「イヤーーー!」
という絶叫が部屋中に響いた。
もしも間に入ってきたのがカナちゃんだったら、ヒナちゃんは絶対に歓迎していた。


並んで座る時も、ヒナちゃんの横には既にカナちゃんが座っているのに、3センチくらいしかスキマがないトコロに無理やりお尻を押し込んで座ろうとして、2人を怒らせた。


ユウタくんは、まだカナちゃんほどにはヒナちゃんから認めてもらえていない。

それなのに、何度そうされても、懲りることなく平気で近づき、怒らせている。



ソルの振る舞いについては、動物病院の先生にも相談した。

先生はため息混じりに、

「ルナちゃんは長毛のメスだし、おばあちゃんになってから受け入れるのはムズカシイと思います………でも実際、テレビやSNSで見かける映像のようにはいかないご家庭の方が多いと思います。
猫ちゃんって基本的に1人でいるのが好きなので…」

と、慰めてくれた。


そうこうするうちにソルの入院。

ルナは鼻歌でも歌い出しそうなほどご機嫌で、いつも出し惜しみしている愛嬌をこれでもかと振りまいた。

四十九、老猫の退院前なのに心配するどころか文句が止まらなくなってしまった飼い主(私) - onoesanと猫と保育となんやかんや。

それが先月の初めのことである。


そこから1ヶ月半。
どうもここ1週間程度の短い期間で、2匹の関係性が変化したような気がしている。

ソルが目の前を横切っても怒らない。
昨日は耳のニオイをそっと嗅いだりしていた。

目を疑う光景なのである。

何があったのだろう。

一番景色の良い窓際を譲ってくれたとか、先に寝て布団を温めておいてくれたとか…?

いや。

多分、ルナは諦めたんだろう。
ソルのこの、気づかない性格はもう治らない、と。

何度もパーソナルスペースにズカズカと入りこまれているうちに、もうどうでもいいや、と。

1年と1ヶ月かけて「気に食わない同僚」あたりのコトバが一番ピッタリくるような関係性に落ち着いてきた。

ソルのやり方は正攻法ではないが、2匹の関係性は歩を進めた。



相変わらず、いつも離れた場所にいる。
グルーミングをし合うことなど到底考えられない。

でもここまで距離を近づけることが出来たのだから、今後どうなるかは全くわからないと思う。


そこまで仲良くなるのが先か、寿命が尽きるのが先か、今のところ五分五分である。

ちなみに、ヒナちゃんの猛抗議はルナの比ではないので、ソルと違ってユウタくんは、遅かれ早かれ「距離をわきまえる」ということをキチンと学ぶだろうと思っている。

物価高で思い出した過去のやりくり。


最近、スーパーに買い物に行くと、

「え?カゴの中、こんなにスッカスカですけど?いつも通り、つましい食材だけですけど何かの間違いでは?」

と、レシートを見てため息が出てしまうことが多い。

物価がどんどん上がっている。


結婚した当初、主人も私も細かいことが苦手で、押し付けあった結果として、やむを得ず家計管理を担当するハメになった。


しかし、最初はイヤイヤだったものの、だんだんと「節約」というものが面白くなっていった。


何か「不必要なモノ」「余分なモノ」「意味のないモノ」は、ないだろうか。


日々の生活の中で「削れるモノ」を物色する。
それが密かな楽しみになった。

もう15年くらい前の話だ。

主人が焼酎を飲みながら言った。

「あー。やっぱり良い焼酎は味が全然違うな。」


別の日に、コーヒーを飲みながら言った。

「あー。やっぱり豆が良いとコーヒーの味が全然違うな。」


この場合の「良い」は、「高い」と同義語である。

主人の口癖は、
「お金のことはいいから良いモノを買って。」
である。

だから(安く購入しても)
「これ、けっこう高かったんだ。」
と言うと、安心してくれる。


要するに、高いモノだと思えれば良いはず、だった。


主人の不在時に、大五郎の4リットルを「良い」焼酎の瓶に注ぎ入れブレンドし、割合を少しずつ変えていき、舌を慣らしてもらっていった。

最初の数日間こそ、どうだろうか…と心配していたが、わずか2週間で完全な移行に成功した。

たまに「良い」焼酎の空き瓶を、台所の脇に飾る演出も忘れなかったし、大五郎の大きなプラスチックボトルを外の物置に隠すことも忘れなかった。


「昔、子供の頃にさ。じいちゃんが飲んでる熱燗の中身をお湯に入れ替えたんだよ!でも、うめぇ!って言いながら気づかないで飲むからおかしくってさ。
階段の陰で必死で笑いを堪えたなぁ!
あれはホントに面白かった!」


などと主人が話した時には、内心ギクリとしたが、

「ホントに?へえ。案外気づかないんだねえ。」

と、落ち着いて相槌を打つことに成功した。


その後コーヒーに着手したのは、節約というよりも完全に次なる"刺激"を求めてのことだった。


こちらは酸味という点でバレるかもしれないという心配があった。


台所の隅で、速やかにインスタントコーヒーの粉をかき混ぜて提供した。


刺激を求めてやった割に、全く問題なく移行することができた。


そうして大幅なコストダウンに成功した。


数ヶ月間は完全犯罪だった。


ところがある日、スプーンでカラカラと混ぜる音を聞かれてしまい、すべて白状することになってしまった。


それからは大変疑り深い目でコチラを見るようになってしまった。


残念なことだった。


あれから早15年。

ほとぼりもすっかり冷めた。


昨今の物価高の中、やりくり上手な主婦として、再び抜本的な節約に立ち上がらなければならない。


しかし。


子どもが生まれ、コーヒーはインスタント、焼酎は紙パックなのは既にかなり前から同意の上だ。


住宅ローンやら病気三昧の猫を抱え、秘密裏に遂行可能な節約箇所など、もはや何ひとつ残されていないのだった。

意味のない雑木他、庭木の意見イロイロ。


庭木を植え替えたい。

ここ数年来ずっとそう思っている。


我が家は築30年の中古住宅で、庭には建築当時の流行りなのかスタンダードなのか、ツツジや、南天などの純和風な植物がひしめいている。


洋風の素敵な庭を見るにつけ、我が家の庭も爽やかな今風の雰囲気に変えたいという思いが募る。



この一年というもの、庭を眺めるたびに

「どの木から抜こうか…」

と考えるのが癖になっている。
まだ実行には移していない。



真っ先に目をつけたのは、庭の角にあるサザンカだ。
昭和の雰囲気がする(私見です)この庭木をシマトネリコにしたらどうか。


それからキンモクセイ
数が多過ぎて管理が大変過ぎる。
半分くらいに減らしたら風通しも日当たりもよくなるだろう。


それにハナミズキ
お隣の屋根にかかるたびに高枝切り鋏を2階の窓から思いきり伸ばして切っている。
この手間がなくなったらどんなに楽になることか。


そして何より、この意味のない雑木。
庭の中心よりやや左側という、本当に意味のない場所に立っている。

意味が分からな過ぎて、一度植木屋さんに聞いたら、鳥の糞に混じって落ちた種が発芽したタダの雑木だ、と言っていた。
常緑樹で、花を咲かせているところを見たことがない。


で、とにかくここ数年、ろくに手入れもせずにただただ、

「どの木から抜こうか」

という視点で、庭の木を見続けてきたのだった。



うすうすは気づいていた。サザンカの変化を。

サザンカの木の隣には、簡単な網のフェンスだけを挟み、お隣のお宅のサザンカの木が立っている。

その木に、今年もサザンカの花がそれは見事に咲きこぼれている。


対して、その隣に立つ我が家のサザンカの木。

間には腰高のフェンスがあるだけ、隣家も一切世話をしていないにも関わらず、一輪も花をつけなかった。

一輪も花を咲かせないその木の下には、隣のサザンカの赤い花びらが積もっている。


ーイインデス。ドウセヌカレルウンメイデスカラ。


キンモクセイに関しては、昨年の秋、反対側のお隣に住むタカノさんが、

「この時期は寝室を開けるとキンモクセイの香りが入ってきて幸せになるの。キンモクセイは切らないでね」



ハナミズキの方は、ちょうど長く伸びた枝を切っている時に、サザンカの家のお宅の奥さんが、

「少しくらい屋根にかかるのなんて気にしないで。新緑の季節の葉っぱはやっぱりキレイだもの。」



ーお二人は「言った」のか「言わされた」のか。



それから意味のない雑木。


去年の春先、その木に数百匹の蜂が群がった。

羽音が凄まじく、ご近所から、

「お宅の庭が大変なことになっているので何とかしてくれ」

と電話が入った。

確かに見るも恐ろしい状態になっていた。


窓をほんの少しだけ開け、その隙間から高枝切り鋏を伸ばし、蜂が群がる中、雑木の枝を全て切り落とし、マルハダカにした。


それで蜂はいなくなった。
私は満足した。


数百匹もの蜂が群がるその現象は、「分蜂」と言って、新しい女王蜂が生まれると、その母親の女王蜂がもともとの巣を娘に譲り、働き蜂の半数を連れて新しい家を探して引っ越す、その引っ越しの最中の休憩場として、手頃な木に蜂が群がることで生じるのだった。

その時の蜂はとても穏やかで、危害を加えることはまずなく、数日間見守っていれば良いし、このことはミツバチを守るためにとても大切なことである、ということを知ったのは、マルハダカにしてからだった。


ーセッカク、ハエアルキュウケイバショにエラバレタノニ。


今は、マルハダカの状態から猛烈な勢いで枝を再生し、それでもまだ葉が少ないので止まり易いのか、たくさんのメジロが来て賑わっている。


ーイミガナイザツボク?オロカモノメ。


色々と妙な考えが浮かんできて、庭木の植え替えが全くはかどらないのだった。