2024-01-01から1年間の記事一覧

イナバさんと春

家から歩いて5分のところにあるコンビニに向かう途中で、イナバさんに会った。イナバさんは家の前に立っていた。 最初、その人がイナバさんだとわからなかった。イナバさんの家の前に、知らないオジサンが立っていると思った。 こちらに背を向けた小太りのオ…

おノエ、お金持ちと高齢出産に思う。

onoesan.hatenablog.com 動物病院でたまたま出会ったお金持ちの女性の家の、シッターをすることになった。 30代後半のお金持ち、と勝手に見積もっていた彼女は、40代前半のお金持ちだった。大人の女性の年齢を当てるのは難しい。 外見の若さに反して感じられ…

おノエ、お金持ちの事情を知る

onoesan.hatenablog.com 動物病院でお金持ちらしき女性と遭遇→→→車で家まで送る→→→お茶でも飲みませんかと誘われる→→→せっかくなのでと家にあがりこむ→→→女性からシッターを頼まれる、onoesanこと私だった… 動物病院を出てから1時間近く経つが、赤ちゃんは、…

おノエ、お金持ちから頼まれごとをする

onoesan.hatenablog.com 動物病院でお金持ちらしき女性と遭遇→→→車で家まで送る→→→お茶でも飲みませんかと誘われる→→→せっかくなのでと家にあがりこむ→→→ゴージャスな雰囲気にのまれる→→→女性の視線に、何か話したいことがあるらしいとようやく気付いた、ono…

おノエ、お金持ちの気持ちに勝手に寄り添う。

onoesan.hatenablog.com 初対面の、お金持ちらしき女性を家まで送ったら、良かったら家でお茶でもと誘われた。 お言葉に甘えて上がり込み、ひさしぶりに興奮を覚えるonoesanこと私であった。 女性は、ソファーの前に置かれたテーブルにお茶の入った藤色のカ…

おノエ、お金持ちのおウチを見た後が心配になる。

onoesan.hatenablog.com 初対面のお金持ちらしき女性を家まで送ったら、家でお茶でもどうですか、と誘われた。 お茶でもどうですかと誘われたのに気分はすっかり「渡辺篤史の建もの探訪」、ステキなお宅を見学する渡辺篤史だった。 ワクワクしながら足を踏み…

おノエの建もの探訪〜お金持ちの家に足を踏み入れる

onoesan.hatenablog.com お金持ちオーラを放つ女性の家に突然お邪魔することになった。平日の、お昼ちょっと前の出来事である。 高級な外車が並ぶ駐車場の奥に、2階建ての家が見える。築1,2年といったところだろうか。堅牢そうな外観、きっと憧れのヘーベル…

おノエ、お金持ちからお茶に誘われる。

onoesan.hatenablog.com 「お茶でもいかがですか?」 ーん?今この人なんて言った?え?うそ、私、誘われた? …いや待て、これは言葉のトリックの類かもしれない。もしくはお金持ちのマナーの一種なのかもしれない。ほら、確か京都では、お茶のおかわりを勧…

おノエ、お金持ちを家まで送る。

onoesan.hatenablog.com 動物病院で偶然出会った、お金持ちオーラを放つ女性と赤ちゃんと茶トラの猫を車に乗せて、家まで送り届けることになった。 そう言えば先月も初対面の人を車で家まで送っていった。ホームセンターで会ったおばあちゃんだ。 1人、大小…

おノエ、お金持ちを車に誘う。

onoesan.hatenablog.com 私だけでなく、世の中の大半の人は、多かれ少なかれ他人の生活が気になるものではないだろうか。 ーたとえ、それが時として目の毒であろうとも。 動物病院でたまたま会話を交わした女性は、胸に赤ちゃんを抱き、猫の入ったケージを手…

おノエ、お金持ちに遭遇する。

ここ数年、あまりにも頻繁に動物病院に通っているonoesanこと私は、もはやすっかり常連気取り、新顔の患者さんには先輩風を吹かしている。 ケージを2つ持った人が来院したらすかさずドアを開けに行き、撫でてもらいたそうな犬がいたら、いそいそと隣に移動…

チワワのベンツ。

たまに子どものお下がりをくれたり散歩に付き合ってくれたりするご近所さんのサキコさんが子犬を飼い始めて、ちょうど半年が過ぎた。 白に近いクリーム色の、オスのチワワの名前はベンツ。由来はメルセデス・ベンツで、外車好きのご主人が命名した。 小さな…

たまにはやってもらいなさい。

年末から、灯油缶に差したオレンジ色の給油ポンプの電池が切れかかっていた。 「入」の方にスイッチをスライドさせても、うんともすんとも言わない。 ノズルごと持ち上げて何度か振り、再び「入」にするとジ〜ッと音がして、ようやく動き始める。 毎回、今日…

きな粉餅の日々

7年くらい前だったか、プランターにサラダ菜の種を蒔いたことがあった。 種は数日のうちに芽を出した。 その小さな芽が毎朝、うっかりすると見逃してしまうくらい少しずつだけれど、背を伸ばす。 その成長を見るのがとても楽しみだった。 朝一番に水をやりに…

あれから半年と少し。

「高い猫缶、好きなだけ食べていいから」 そう伝える私の目を、彼は真剣に見つめ返した。 昨年の、いよいよ酷暑が始まらんとする7月のある日のことだった。 あれから半年と少し。 彼が食べた高級猫缶は、200缶を優に超えた。 今日もまた、猫缶が供されるのを…