おノエ、お金持ちの事情を知る

 

onoesan.hatenablog.com

動物病院でお金持ちらしき女性と遭遇→→→車で家まで送る→→→お茶でも飲みませんかと誘われる→→→せっかくなのでと家にあがりこむ→→→女性からシッターを頼まれる、onoesanこと私だった…

 

動物病院を出てから1時間近く経つが、赤ちゃんは、時々あやしてもらうだけで、泣くこともなく抱かれている。

 

「実はこの子、未熟児で生まれて2カ月間ICU に入っていたんです。だから我が家に来てからまだ3ヶ月なんです」

 

色白の赤ちゃんは、私が的中させることができたくらい、5か月の赤ちゃんにふさわしい育ちを見せている。むしろ、大きいくらいだ。

 

「そうなんです。ミルクも規定量しっかり飲んでくれるし、夜もたくさん寝てくれるし、本当にスクスク大きくなってくれてる…」

 

女性は赤ちゃんを愛おしそうに見つめた。

 

「産後、私が退院してから娘を迎えるまで2か月あったので、しっかり準備する時間はあったんです。もちろんシッターさんも契約済みでした。本当なら今頃、お任せしている予定だったんです。それが…」

 

再びこちらをじっと見つめてくる。

 

「一度でもこうやって、お願いする前に来てもらっていたらこんなことにならなかったんですけど…。実は、猫を飼っていることはお伝えしたはずなのに、来て頂いた方が猫アレルギーだったんです」

 

自嘲するように笑う。

 

「でも、さっきも言ったとおり、どうやら本当に手がかからない子らしくて。ネットを見ると、皆さんもっと大変そうなんですけれど、今のところは1人でけっこうやれてるんです。だから派遣先からは、すぐに代わりの方を探すって言ってもらったんですけど保留にしてもらっています。もしかしたら、遠くから来てもらってまるまる長い時間入ってもらわなくても大丈夫かなって。私の通院とか、予定がある日だけ見ててもらえたら乗り切れるかもって。急に来られない時があっても、こちらの予定を調整するので全然かまいませんし」

 

そういう事情であれば、保険や金額面…まあ金額は気にしないのだろうけれど…私の方で手続きを進めて問題ないかも…と、話を聞いたことでようやく色々と見えてきて、一気に安心したのだった。

 

そんな私の様子に女性も安心したらしく、すっかりリラックスした様子になった。

 

「まさか41にもなって赤ちゃんが出来るなんて。てっきり夫婦2人で余生を送るだろうからって、売りやすいように手頃でコンパクトな家を建てたのに、人生、何があるかわかりませんね。付き合いのある友人に子供がいる人、ましてや赤ちゃんがいる人なんて一人もいないし、切迫早産で入院してから体力が落ちちゃって何にもできないし…ほんと、まいってたんです」

 

色々驚いたものの、どう返事をして良いのかわからず黙っていると、

 

「でもこんな出会いがあるなんて、この子に感謝しなくちゃ」

 

と言って、茶トラを見た。

 

膝に乗りたくてスタンバイしていた茶トラが、期待したようにニャッと鳴いたのだった。