今日の私は違うぞ、と奮起して、朝からクイックルワイパーを家中にかけた。
本当は、そんな気には更々なっていなかったのだが、朝一番にソルがソファーの上で大量に吐いてしまい掃除モードに入るより他になかったのだった。
ソファーで盛大に吐くのはコレで3回目だ。
用心に敷き布団カバーを重ねておいて良かった。
彼は上から吐いた方がラクらしく、吐き気が来ると、どこかしら高いところに上がってそこから吐く。
しかも一ヶ所ではなく、そうすると辛さが紛れるのか、あちこち移動しながら吐き散らす。
被害を拡大しようという意図がないことくらい分かっているが、毎回だし、時間を考慮してくれないから参る。
参るけれど、吐きたいほど気分が悪いのに、押さえつけて吐かせるというのも気の毒で、結局はいつも治まるまで見守って、本人がケロリとその場を退場してからヤレヤレと拭き掃除を開始する。
今朝もそんな感じだったから、張り切って5時前には起きたけれど気づくと6時をまわっていた。
結果的に自分では引けなかったトリガーを引いてくれたのだから、ここは懐の深い飼い主として感謝しておこう。
それに、家の中をサーっとワイパーで拭くくらいなら案外10分もあれば出来ることに気がつけた。
同じ拭き掃除でも、保育園では昔ながらの四つん這いスタイル。
ハイハイするお子さまの目線になって部屋の有り様を考える、ゴミや危険なモノの見落としを防ぐというのがその理由だ。
特に低月齢のお子様の部屋は、結構な広さをひたすら四つん這いで拭く。
コレだと確かに力が入るので汚れは落ちるのだけれど、膝は黒ずむし、時間がかかるし、けっこう疲れる。
拭き掃除といえば、こちらのイメージだったから、とても朝から家中する気になんてなれなかった。
SNSにたくさん出てくる賢いヒトたちは絶対にクイックルワイパーを使っている。
そういうカラクリか!と、合点がいったのだった。
10分ならば、ちょうど我が家の土鍋で米3合が炊き上がる時間と一緒だ。
吹きこぼれでガス台が汚れてしまうから、10分間でキチンとガス台の前に戻ってお釜を五徳から下さなければならない。
それもちょうど良い。
やっぱり賢いヒトたちの話にはしっかりと耳を傾けようと思ったのだった。
とは言え、普段ダラダラしている私がセカセカと動いているので、ネコたちは不気味なものを見るような目つきで遠目から見守っていて、それは心外で気に食わないのだった。