二十二、猫ちゃんのふりかけ②

結論から言うと、2週間も待つ必要はなかった。

丸2日間、
「うめえ、かあちゃん、コレまじ天才だわ」
と(心の中で)さんざん大騒ぎしながら毎食すごい勢いで食べまくった。そして快便もした。

その翌日の朝。
ゴハンだ、ゴハンだ、ゴハンの時間がやってきた〜」
と、(心の中で)囃し立てる2匹に急かされるように、1つのエサ皿に腸内バイオーム、もう1つの方に減量r/dを入れ、上から少量のアキモトの「猫ちゃんのふりかけ」のカツオ節だけをひとつまみかけて目の前に置いた。

すると、

「しん」

という音がするくらいに

「シーン」

となった。

会場(台所の前)は、まるで氷の張った湖のようだった。
誰も動かない。
微動だにもしない。

しばらくしていつものセリフが聞こえてきた(気がした)

「おかーさん、なんにもないね」

出たかそのセリフ、言うかその顔で。また言うのかそれを…。

というわけで、ハイ、飽きました!あーあ。

で、もう
「カツオ節なんてダサッ。金輪際食べませーん」と(心の中で)言うので、またしてもトンチンカンチン一休さんは考えた。

「アキモトの『猫ちゃんのふりかけ』にたくさん入ってるんだけど今まで知らん顔してたものな〜んだ?」

それはグロテスクなイワシだった。
メインは大体が、もげて顔だけってやつ。
ネコ用のフリカケならではのワイルド感。
コレがヒントになった。

私は、もげて顔だけになっているイワシを1匹チョイスし、ミルで粉砕、粉々にした。そしてそれを振りかけた。

そうしたところ、どうやらワイルドな雰囲気に魅せられたらしき2匹は、カツオ節の時とはまた違った歓声を(心の中で)あげながらエサ皿に飛びついた。飛びついて勢いよく「ガッガッガッ」と食べ始めた。

私は安堵のあまり大きく息を吐いた。
何とかその場を凌ぐことができたのである。

次の「飽き」という名のXデーがいつ来るのかは神のみぞ知る、だ(大体はわかるけどね)