二十五、魅惑のクリスピーキッス

そうして、若干ワケがわからないが、なぜだかソルは「タダの、袋から出しただけの」腸内バイオームを食べるようになった。

それ自体は嬉しいけれど、当然おいしくはないため食べる量が激減してしまった。
ルナはルナでフリカケをかけないと全く口にしないし、こちらもやはり明らかに摂取量が減り続けている。

結局、あんなに満員御礼の大ヒットだったフリカケ作戦は1か月も持たずに終了に追い込まれてしまった。

ただ、摂取量が激減したものの腸内バイオームを単独で食べることには成功していて、そこは評価に値する。
ただ、食べる量があまりにも少ない。

そこで、今回試そうとまたまた買ってきたのが、味が3種類あるオヤツのアソートパックだ。
お馴染みのモンプチが、可愛いパッケージに入れて送り出してる、名前も「クリスピーキッス」。

クリスピーというだけあって2匹が好きそうなパリパリ食感風。スナックのおっとっと並みに色々な可愛い形の、さながらクッキーの詰め合わせだ。ピカピカの小さなパッケージに入っていて何だかとっても美味しそう。

小分けになっている中から、緑色の「ツナ&サーモンセレクト」というのを選んで開封。一粒を小さく割って腸内バイオームに混ぜ込んだ。

すると、すごい勢いで食べる。それだけを選り好みして食べてしまうのではないかという心配をヨソに、腸内バイオームもしっかり食べている。

やっぱりオヤツというだけのことはある。きっと相当おいしいのだ。
慢性腸症のソルにとっては下痢を引き起こしかねない食べ物だけれど、生きている以上は自分がおいしいと感じるものも食べたいよね。
というわけで、必要悪として便の状態を睨みつつ、ほんのちょぴっとずつを飽きるまであげることにした。
これだけを選り好みして食べるようになったらもうあげません、と宣言して。

そうして、久しぶりにけっこうな量を食べられた2匹はとても満足そうな顔で夕飯までグッスリと寝たのだった(いつもだけど)

当面はもう、様々な嗜好品の力をほんのちょっとすつ借りながら様子を見つつやって行こうと思っている。