伴侶動物だから悩む、治療費問題と終止符の打ち方。

ルナは急性腎不全、甲状腺機能亢進症。
ソルは慢性腸症、猫コロナ、度重なる尿道閉塞。

他にも持病は抱えているし、今まで色々病気になってきたけれど、上記の病気は

病院に行ってなかったら完全に命がOUT

だったものだ。

病院で、2匹合わせて5度以上も、消えるはずだった命に灯をともしてもらった。15年間のうちには他にもあったかもしれない。

そして、この点灯費用、全部で一体いくらだろうか。
腎不全の時は、確か3日間入院してトータル20万は軽くかかった。
甲状腺機能亢進症は朝晩の投薬代で、1ヶ月、死ぬまで5000円以上がかかり続ける。
尿道閉塞だと、カテーテル治療だけでも一度で10000円くらいか。
でもほとんどの場合、治療には検査もセットになるので、検査料金がさらに上乗せされるし、そこで検査項目が追加されれば数千円単位が積み上がる。
慢性腸症などの腸の病気では、数種類の薬を毎日。死ぬまで。月10000円前後。
もちろんこうした病気にかかれば、500gでも2000円以上することが普通にある、療法食も必須である。

この一年、猫にかかる費用は、最も、格段に少なかった月でも30000円だ。

15年前に飼い始めた当時は、田舎ではペット保険も全く知られていなかった。

初めて飼う人が、ここまでの金額を想像出来るだろうか。

病気を完璧に予測することは不可能だ。
どの個体がどんな疾患にかかるのか、飼う時には未知数だし、第一そんなことは飼う時に考えない。売り手も想像させない。

当たり前だが、苦痛を伴う末期の疾患以外で、病院側が安楽死を進めることはまずない。

そして上記の病気にかかった時、病院で処置してもらったことで、元通りに生活に出来るようになった。

ただ費用はずっと、じわじわとかかり続けるのだ。

例えば日中、家人が不在で、病気の発見が遅れた場合、尿道閉塞や急性腎不全であれば早い段階で、苦しんで命を落としていたはずだ。
昔なら外に出て帰ってこなくなったりしたのだろう。

でも今は、毎日ある程度の時間を共有して暮らしていれば、体調の変化にも気付きやすい。

気がつけば誰だって、救ってやりたい。助けてやりたいのだ。

でもそこで気づくことで、生きながらえ、生活を圧迫するといってもまったく大袈裟ではない金銭的な費用が発生する。

でも。
治るから、治療のピリオドがうてない。

終着点を飼い主が決めなければならない場合がある。
動物病院は、それこそ末期癌で余命いくばくしかないとか、難病で後は苦しむだけ、とかではない限り、どこまでも、病院として、獣医師として、できることがある限り治療を選択するのだ。

人間は、現代日本では安楽死を選べない。

伴侶動物は、安楽死を、時に人間が選ばなければならない。

現代の日本の動物治療のレベルで、普通に、きちんと飼いきるためには、豊かな経済力がないと難しいという現実は、絶対にある。

もちろん運が良ければ病気と無縁で済むことはできるが、繰り返すがそれはルーレットだ。

それでも飼うか。

飼えるのか。