onoesanと猫と保育となんやかんや。

おいぼれ猫たちとの日々と、あれやこれや

四十九、老猫の退院前なのに心配するどころか文句が止まらなくなってしまった飼い主(私)

休診日にも関わらず、病院から電話があった。

「実は良くないお知らせがありまして…」

言われなくても、タイミングからして絶対に良くないお知らせである。
というか、内容は聞かなくてもわかった。

「昨日、無事に膀胱に押し戻せた小さな石が、また尿管に落っこっちゃいまして。こうなるともう手術して取り除くしかないので、明日、手術させてもらいます。」

断りようのない電話。もう、むしろ助かる。悩むのは疲れる。
経済的負担と予後のお世話を考えると気持ちが拮抗し、またしても、生かすべきか生かさぬべきかそれが問題だと、ドツボにはまるのは間違いなかった。

そうして翌日の夕方、手術が終わったことを知らせる電話が入った。術後の経過も良いとのことで、入院費用を考えると、このうえは一刻も早く退院してもらいたい。

ただ、入院費を考えなければソルがいないと、やはり圧倒的にラクで静かで穏やかなのだった。

そして私以上にそれを感じているのがルナで、彼女はソルがいないこの1週間、それはもう伸び伸びと幸せそうだった。
嬉しすぎて喋りそうなくらいに生き生きとしていた。

ルナは本当に控えめなネコで、隅の方に大人しくチョコンと座り、鳴くこともめったにない。
私が寝坊して朝ごはんが出てこなくても、ジッと静かにそばで待っている。
夜、布団に入ると足元の方にそっと乗り、決してヒトの邪魔をしない。

対してソルは真逆で、態度のデカさは筆舌に尽くしがたい。
通るのに一番邪魔な場所に大の字で寝転がる。
ソファーにいる時はソファーの真ん中。
テレビを見る時は、テレビの前で香箱座り。
主に深夜から明け方にかけての遠吠え。
腹が減れば「おっかぁ!おっかぁ!」と前脚で拝みながら要求。

朝、私が起きなければ布団の上をズカズカと猛抗議。それでも知らん顔をすると家人の寝室のドアをジャンプして開けようとして大騒ぎ。
階段の上り下りの音量は人間並み。
フードは一瞬で飽きる。
すばしっこさですぐにルナを出し抜く。
オナラの音が大き過ぎる。
あげくに口もクサい。

もしもルナが言葉を解したら、こんなにウキウキとした顔ではいられないだろう。
シッポをピンと立てて歩く後ろ姿には、かける言葉もない。
せめて直前までは久しぶりの一人っ子を味わっておくんだよ。
もうすぐあのうるさい子が帰ってくるから…。
後ろ姿につぶやいたのだった。