五十九、今年最初の動物病院に行ってきた話。

怒涛の体調不良ラッシュによる病院通いを繰り広げているソル。

果たして年末年始の休診期間中に、体調を崩さずにいてくれるだろうか。

救急には行きたくないな…。


と、色々心配していたけれど、意外にも何事もなく10日間近くを過ごしてくれたのだった。



「ソル、ありがとね!」




そう。

何気なく言ってしまったのだった。


本当にうっかり。


気を抜いていた。


血の気が引き、後悔が押し寄せる。


が、時、すでに遅し。



ソルには決して、

「最近、調子いいね。」

とか、

「ここんとこ、順調だな。」

などといった、

「手がかからなくなった」「世話が減る」ことを喜ぶかのような雰囲気、態度を見せてはならないのだ。


そういう特性を持ったネコなのだ。

青春か。じいさん猫にニキビが出来た。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。

四十八、動物病院入院3日目。尿道の石をやっつけろ! - onoesanと猫と保育となんやかんや。


なのに今日、またしても性懲りも無く、年末は助かったよという旨の、感謝の言葉を口に出してしまった。


かくして本日、原因不明のヒドイ下痢となり、今年最初の受診となった。



年末、動物病院には年賀状を出していた。


年賀状を出すこと自体、そろそろ手を引こうと思っているくらいなのだが、今年はムスコから写真の掲載を断られたため、ルナとソルの写真ばかりペタペタと載せた。


そうなると、なんとなく、このヒト(ネコ)たちの唯一の知人?いや、恩人に送らないのもどうかな…と考えたのだった。


年賀状を送りつけたのが何となく気恥ずかしく、ソワソワしながら入口に立っていたところ、先生の方から年賀状のお礼を言って下さった。


良かった。



「あのような"かぶりもの"は嫌がったりしませんか?」


と聞かれたが、見ての通りだ。

どこからどう贔屓目に見ても、嫌がっており、かなりご立腹。
ビックリするほど可愛くなかった。
松重豊さんのような渋い感じになってしまった。

2匹とも、年賀状なのにこんなに不機嫌で良いのか、というくらいには気分を害していた。


正直、去年あれだけ世話をしたのだから、数秒間くらい可愛い顔をしてくれても良いではないか。



で、下痢の方は、

「何か拾い食いしたのかもしれませんね。」

とのこと。

床に落ちていれば、食べても良い療法食以外の、ゴミとかホコリとか全部食べる。

療法食以外の吸い込みが抜群のルンバである。


ましてや父が来ていた。

ずっと父のそばにいなければ、と思った話。 - onoesanと猫と保育となんやかんや。

何を食べていても不思議ではない。


様子を見ようという話で落ち着いたのだった。


膀胱結石に関しては、幸い、手術後から試している結石用のサプリメントが、先生の予想を遥かに超えた効き目を発揮してくれていた。

エコーを確認すると、切開手術後もしぶとく点在していた石が見えなくなっている。


新年早々なんてメデタイ話だろうか。


「ソル、良かったね!」


言いかけて、慌てて言葉を飲み込んだのだった。