onoesanと猫と保育となんやかんや。

おいぼれ猫たちとの日々と、あれやこれや

三十五、猫に手作りごはんを作らされた話…のはずが事態が変わって来て次なる病の話。

食物繊維の与え過ぎによる便秘…だと完全に思い込んでしまっていた。
しかし、頭の中で何かが引っかかっている。
なんだろう…と、ここでもう一つの事実に気づく。

昨夜からオシッコもしていない……のでは?

そう。昨夜あんなに、これでもかというくら水分を飲ませたのにも関わらず、排尿、してない…。

これはどう考えても異常事態だ。

にも関わらず、私は昨夜から圧倒的に、頭の中が「便秘」というワードに支配されていた。
だから、
「便秘がひどいし、おまけにオシッコまで出なくなった」
というイメージであった。
9割の脳みそで便秘を心配し、残り1割でうすらぼんやりとオシッコが出ないことを心配していた。

昨夜から何度も何度も、必死でいきんでいる。
疲れて、時折りトイレに這いつくばるようなスタイルになっているし、トイレでないところでも辛そうにいきむ。

もうどこでもいい。布団の上だって、いっそテーブルの上だっていい。どうか出てくださいと、祈るような気持ちで見守る。

お腹をさすったり、毛玉排出用のペーストを飲ませたり。オリーブオイルをつけた綿棒で肛門を刺激したり…。
病院に行くまで気が気ではなかった。

やがて診療開始時間が近づき、ソルをケージに入れて出動。病院の扉を開けると、受付のカウンターの横でゴソゴソとカルテを調べている先生がいた。

「せんせ〜い、今度は便秘になっちゃいました〜」

「あら〜。それは大変」

先生はいつも通り穏やかな笑顔で、なんだか張り詰めていた気持ちが楽になった。もう大丈夫。そう思うことができた。

診察室に入る時にも、
「朝から摘便とか、ごめんなさい」
と言いながら入った。

ところが。

お腹を触った先生の顔色が少し変わった。

「これは…。便はそんなに入ってないですね。これは、オシッコが相当たまってますね」

そう言って少し深刻そうにお腹を丹念に触った。ソルは力尽きたように大人しかった。

「え????オシッコ??便秘じゃないんですか?」

「オシッコですね。オシッコが何らかの事情で出せない状況ですね。ちょっと管を入れて出してみますので待合室でお待ちください。」

「すみません、完全に便秘だと思い込んでしまって、お水たくさん飲ませちゃいました…」

ソルは恨みがましい目をすることもなく、もう力も尽きているのか従順に診察台に横になっていた。
申し訳なさがこみあげてくる。こんな風に思い込んでしまうとは。年のせいなのか。

いつもなら、点滴をしてもエコーで調べても10分も待たなかった。
しかしこの日は、1番に診察してもらい、待合室が混み始めてきたにも関わらず、一向に診察室の扉が開かない。
どうしてこんなに長いんだろう。
中で何が起きているんだろう。

そのうち、ソルの、聞いたこともない野太い、低い唸り声が聞こえてきた。

痛いのか?

ソル、ごめん。

待つこと30分、ようやく診察室の扉が開いた。

疲れ切った様子の先生。
ソルの横には、茶色い水がトレイ一杯に入っていた。

「尿管が詰まってましたね。栓のようにフタをされてしまった状態でした。かなり手強かったですけど、なんとかカテーテルを通してオシッコを出せました。」

「フタ?」

「はい。細菌なのか結晶なのか、それはこれから培養検査に出して調べる必要がありますが、何らかのモノがフタになってしまいオシッコが出るのを邪魔しちゃってましたね。はぁ〜。でも通って良かったです。」

中に入っていた茶色い水の量には先生もびっくりしている様子だった。すみません、これは私が昨日さんざん水分を摂らせたせいです…。

というわけで、便秘ではなく尿路閉塞という、便秘よりはるかに怖い疾患だったのだった。

一体どうしてこんな病気になったのか。