今年もソル活が始まった。

年が明けてからこのかた、去年と比べたら圧倒的な平穏を保っていたソル。もうすぐ15才の春である。

体重は減り続け、今はもうガリガリを超えてペロンペロンだ。


こんなにペラペラなのに、食べることしか楽しみはないだろうに、食べられるものは持病のせいで繊維多めのダイエット食、一択である。


それでも一昨日までは数種類のダイエットフードを細々と食べ回しながら、健気に過ごしていた。


しかし昨日は朝からまったく食べない。
夜から明け方にかけて10回以上吐いた。投薬の時にあげる唯一のお楽しみである"ちゅ〜る"にすら無反応。
突然、危機的な状況になった。


もともと今日は2匹そろって定期検診の日だったため、朝から病院の前に並んだのだった。


この時期は狂犬病のワクチン接種の時期と重なるため、周囲ははち切れんばかりに元気いっぱいの犬だらけである。


彼らはここが病院であるという認識がうすいようで、初めて遊園地にやって来た子どものようなハシャぎぶりで、尻尾をプリプリ降りながら自ら診察室に入っていく。


その合間合間に、馴染みの老犬たちが「ココがどこか自分は知っている。おウチに帰りたい」とゴネている。


健康って良いよね、若さが眩しいよね…と、老犬にしみじみ共感する。


状態が悪いということで色々調べてもらう。


レントゲンでは、痩せ過ぎて骨と皮しか写らず様子がわからなかった。

よってエコー検査もしなければならないとのこと。


血液検査は、全体的に悪いが特に膵臓が悪い。

よってこちらも精密検査をしなければならないとのこと。


そういうわけで病院で一時預かりとなった。


入院かどうかの判断は夕方まで様子を見てからとのこと。


これでまた本日だけで数万円の出費は確実となり、今後の動向によってはまた天井知らずに費用が嵩んでいくことになる。


こういうことが起きるたびに、時代劇の

「おっかさんを助けたいけどお金がない」

というシーンを思い出す。


これは決して時代劇の中の話ではなく、今も世界中の人々に、フツーに毎日起きていることである。


ましてや伴侶動物の世界は格差が非常に激しい。すべては飼い主次第だ。


先々はこちらの世界にも皆保険が導入される日が来るのだろうが、意識がさまざまなところにまで飛んでしまい、それこそ人間の経済活動に取り込まれてしまった家畜動物のこととか、尊厳死問題とか、問題意識が無駄にくすぶりまくって鬱々となるので気をつけたい。


ともあれ、ひさしぶりにソル活(ソルに労力と資金、そして愛情のすべてを集中的に注ぎ込む活動)を始めなければならなくなりそうである。


去年はさんざん死ぬ死ぬ詐欺を働いたけれど、今年はどうするつもりなのだろうか。


さんざん癒してもらったので、どんな方向性であれ、きちんとお付き合いしていきたいと思っている。