さよなら、キュウリ。

予兆は一昨年前からあり、キクラゲとの悲痛な決別も、今思えば続くキュウリへの伏線だったのかもしれない。

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自分の食人生において、主役ではないけれど稀代の名バイプレーヤーとして、長年どんな場面でもさりげない存在感を放っていた。


気軽で親しみやすく、楽な気持ちで付き合えていたから、別れなんて想像したこともなかった。


長い間ずっと、意識すらしないほど当たり前に、好きだった。


でも昨日、はっきりとわかった。


これ以降、親密な関係を続けていくことはできない。


この思いはここで終わりにしなければいけない。


心は少しも変わっていないのに、体が拒否している。


こんなに好きなのに。


さよなら、キュウリ。


先週、家庭菜園をされているご近所のサキコさんから、今年初の採れたてのキュウリを頂いた。


みずみずしくて、

「さあ、今すぐ私にかぶりついてちょうだい!」

と挑発的に囁かれた。


息子は、1年ぶりのキュウリの登場に完全に心を奪われ、


「それ、今すぐ冷蔵庫で冷やして!丸かじりしたいからオレのは切らないで!」


と叫んだ。


私もそうしたい。


しかし一昨年前から感じている違和感に逡巡する。


ためらう私に、冷えたキュウリをボリボリと食らいながら、冷やかし顔の息子が言う。


「おかあさんは食べない方が良いんじゃない?」


その魅力的な音を聞いているうちに、いや、でもほら、去年の夏に実家で食べた時は何ともなかったからね…と、キクラゲを食べた後に床を転げまくったことが少し頭をよぎったが、まあなんていうか、結局のところは、食べた。


そして1時間も経たないうちに腹痛で動けなくなった。


無念だ。


まさかキュウリが食べられなくなるなんて。


キクラゲの時とは違う、深い悲しみに暮れている。


キクラゲは日常から数メートル離れた存在。


キュウリは私の日常だ。


どのくらい日常かというと、サキコさんに頂いた3日後に、今度はご近所の農家さんが玄関のドアノブにひっかけておいてくれた。


この時期は週一ペースで誰かがキュウリを運んでくれる。


そのキュウリを、ほとんど考えることもなく塩をして板ずりし、その日の気分で味をつけて密封する。


そうして晩酌の時間に冷蔵庫から取り出し、浸かり具合を確認するために一切れつまんでポリポリと食べる。


この一連の動作を、反射的に、脳を通過させるまでもなく行う。


その日も一切れつまんでポリポリと食べたところ、1時間も経たないうちに、またもやひどい腹痛に見舞われてしまった。


キュウリを食べたことが主人にバレると色々呆れられる。


だから必死に"ただダラダラしているスタイル"で乗り切ろうとした。


が、そういう時に限って鋭い。


呆れた声で、


「まさかまたキュウリを食べたんじゃないよね?」


と追及された。


そう言われても、気づいた時には口の中からポリポリと音がしたという状況であり、一番ビックリしているのはなんといっても私である。


責めるなんていけないと思う。


その後、諦めきれずに何度かトライアルを繰り返したが、とうとうこれ以上試したらソル(雄猫15才。慢性腸疾患のため食べられないものだらけ。)に示しがつかないと、昨日ついに観念した。


この痛みの原因がキュウリであることは、もはや疑う余地がない。


お別れだ、キュウリ。


最後にエンドロール風に、キュウリへの感謝を込めて、思い出の料理他をラインナップしたいと思います。動画や音楽が欲しいところですが100年早いのであきらめます。


〜本当においしかった!幸せな思い出をたくさんありがとう〜


かっぱ巻き👏👏
 子供の頃、寿司屋に行くと「あんたは本当に良い子だね」と、イクラ軍艦巻きを食べる姉の隣でたくさん褒めてもらえました。ありがとう!

だしby山形👏👏
 息子を出産した夏はとにかく暑く、食べたいのは"だし"をたっぷりかけた白飯だけでした。夜中に刻みまくった日々が懐かしい。おかげさまであの夏を乗り切ることができました。ありがとう!

ツナ和え👏👏
 和風ドレッシングで和えた簡単な一品は、なぜかスキー場に行くと必ず作りました。あの頃の眩しい思い出と共に、あの美味しさを忘れません!

ポテトサラダ👏👏
 ポテトサラダに入れるキュウリは、茹でた方がパリパリ感が出て断然美味しいと知ったのは割と最近。お別れの前に茹でた美味しさを知ることができたのが救いです。

心残りがあるとするならば、blog819tmmさまの記事に登場するエターナルポテサラ。あれ?でもこのポテサラ、キュウリ入ってない?

ポテトサラダ自体とはエターナルグッバイしなくても良いかもしれません。

blog819tmm.hatenablog.com

そしてそして…
痛恨のキューカンバーサンドイッチ😭😭

 きっと最高の歯ざわりに違いない。採れたてのキュウリを頂いたら、究極に薄切りにしてパンにたっくさんはさんでパリパリ音をさせながら食べるんだ!!と、それはワクワクしておりました。
Juniperさまがアイルランドで食してキュウリ嫌いを克服したという「キューカンバーサンドイッチ」。
これは本当に食べてみたかった…。

juniperberry.hatenablog.jp


心残りがないと言えば嘘になる。
けれど、本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。


そして今知りました。本日、くしくも投稿222日目。


222…これだけ猫のことばかり書いておいて今日に限って長過ぎる、つまるところキュウリが食べられなくなったというだけの記事…。


ここまで読んでくださった方がいらっしゃいましたら本当にありがとうございました。


そしてblog819tmmさま、Juniperさま、勝手ながら美味しそうな記事をお借りしました。ありがとうございました。