秋風を感じるその日まで、今年はブレることなく夏を愛でよう。
6月にそう決めて以来、今もなお、夏に対して奇跡的に好感を保てている。
良い作戦を思い出せて良かった。
ただ、台風の接近に伴うここ数日の猛烈な湿度には、かなり気持ちがくじけそうになっている。
7月の初め頃にも一度、湿度の高い熱気に早くも気圧されそうになったことがあった。
けれどなんていうか、その時とはもう、湿度の迫力が違う。完全に湿気に包囲されている。
さすがは台風ですね、というしかない。
でも、ここであきらめるわけにはいかない。
この後、最も苦手な残暑が待っている。こんなところで弱音を吐くわけにはいかないのだ。
少し前に漢方薬局に行ったら、湿気に邪魔されて体のコントロールがうまくできない時期は赤い色を目印に食べるようにとアドバイスされた。
赤身の肉と魚、赤パプリカにトマト、梅干し、小豆、唐辛子、なつめ、スイカ、クコの実などなど。
その時に、どうしてバレてしまったのか、
「料理が苦手なら赤ワインになつめを漬けておけば良いんですよ。」
と、お酒も飲めるステキなプランを提案された。しかしその時は、夏はビールでしょ!と思って見送った。
でも今こそ"赤ワイン+なつめブチ込み"の力を借りてみる時かもしれない。
同時に、お盆だけれど台風や老猫の介護やらでどこにも行けないことが確定してしまった今、追加の作戦を進めることにした。
今いる場所を、今、いたい場所だと思い込む。オーソドックスな方法だ。
昔はよくやっていた。会社帰りに通っていた市民プールはサイパンだったし、スーパー銭湯はハワイだった。
コツは、目を細めて周囲をぼやけさせるだけで、必要なのは妄想力のみ。
当時は、あー、会社帰りでもその気になればサイパンまで来れちゃうなんてすごい世の中になったよね…と、市民プールの天井をぼんやり見つめながら週3ペースで南の島に行っていた。
今は、家の近くの住宅街を車で走っている時に、よく北海道に行く。
白樺の並木道って最高!やっぱり夏は北海道だな…あれ?あのバス、ウチの近所を走ってるバスにそっくりじゃない?すごい偶然!!などと、はしゃぐことによって観光気分を盛り上げている。
それで、その線で色々考えてみた。この湿気である。お盆はどうやらバリ島に行くしかなさそうだ。
というか、既に現地に到着している。
こちらのスコールは本当に激しい。呼吸ができないくらいだ。
やはり日本とは全然違う。しかしせっかく来たのだからこの気候も楽しまなければ。
それにしても現地の猫たちは、こんな中にあっても食欲旺盛、こんなにヨボヨボとしているのにさすがにたくましい。やはり日本の猫とは違う。
日本から持ってきた猫缶をあげよう。さあおいで。
来週一週間はこれで乗り切ろう。
残暑はどうしようか、バリでゆっくり考えたいと思っている。